公務員志望かつ「そろそろ数学を捨てようかな」と思っている高校生の皆様へ | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

公務員志望かつ「そろそろ数学を捨てようかな」と思っている高校生の皆様へ

毎年採用試験をやっている立場から、高校生で「大学に進み公務員試験(事務系の職)を受けようかな」という人(と親御さん)に忠告させていただきます。
数学(特に微積の初歩的なもの)を完全に捨てると、募集人員の多い国家総合、都道府県、政令市の上級職の試験で使うミクロ経済学で困ります。本当に捨てていいかどうか、です。もちろん学生になってから微積をやってもいいのですが、挫折する人が少なくありません。というか、往々にして挫折します。
教養試験(教養試験にも数的処理というより初歩的な数学関係の分野がある)や民間型試験で受けられる小規模な役所の多くは、募集人員が少ないのに経済学を捨てた学生が殺到するので、倍率が高い傾向があります(10倍はざらです)。
確実に公務員を目指すなら、仮に第一志望が地元の一般市や町村であっても、抑えに都道府県庁や政令市を受けられるよう、数学は一通り理解しておくのが無難です。そして実は、どうしても地元の市町村に行きたいが、都道府県庁しか受からなかった場合、というのは往々にしてあるのですが、都道府県庁職員が数年勤務して市町村の役所(場)に転職というケースがここのところ増えています(逆に県庁や政令市へ、というのもあり。ただ、その際、試験の形式にもよるが経験者枠でない限りやはり、経済学がネックとなることも)。
 
このように公務員間の転職というのは比較的「あるある」で、転職の際の合格率も高いようです。なお、地方部で公務員をしている方が首都圏の市町村役所(場)に転職する、というケースも少なくありません。「あなたは地元を捨てるのか」という意地の悪い質問にうまく対応できれば、即戦力として採用されることが多々あります。もちろん、首都圏の市役所でもいわゆるへき地の公務員、都県(都庁、県庁の職員は筆記が強いのでかなりの確率でく二次試験以降に残ります。逆に言うと、筆記に強ければ少なくとも面接までは行けるのです)の職員からの採用実績があるようです。
 
ちなみに、こういうことは本来、高校の進路指導の先生が言うべきことなのですが「とにかく共通試験受けろ」「三科に絞るな」と言うだけでは具体的にどういうケースで損をするのかが高校生にはわかりません。
そして、教養試験型の公務員試験でも数学を捨てていない方が強いのは言うまでもありません。
(なお、公務員試験のテクニカルなことは専門サイトで確認できます。)
毎年、採用のシーズンになると感じていたのですが、採用プロセスの途中に採用に関することを書きすぎると不公平かな、と思って先送りにしてきました。1月は最も定期採用と関係ないし、文理選択の最終シーズンだろうと思い、発信させていただきました。
 
追記 土木職、保健師など専門職の採用は最近、比較的倍率が低く、興味がある方はおススメです。