スペイン風邪を振り返ると、新型コロナ問題が収束するのには時間がかかることが理解できますね
「運動会ってできるかな」「夏休みはどうなるかな」と問われたので「これから数年間は社会がぐちゃぐちゃになって、そういうスケジュールもまず、普通にはいかないと思った方が良いよ」と言いました。
グラフはいわゆるスペイン風邪をピークとする当時のインフルエンザによる死者数の統計ですが、1918年からの3年間で大量の死者を出しています。また、波状攻撃的に流行したわけですが、毒性(要するに死亡率)が強まって行ったことも言われていますね。
(グラフ出所 東京都健康安全センター)
かつての様々な疫病はそのように何度かの波のように流行しました。ペストしかり、梅毒しかり。
新型コロナでは、運が良ければワクチンとか治療薬が活躍してここまでの被害を出さない可能性もありますが、いずれにしてもこれから何年かは普段通りのスケジュールで日々の暮らしが淡々と進む、ということはないと考えるべきです。
役所の仕事も同様で、学校の工事だと、普段は夏休みにやるものが市内では必ず数校はあるのですが、リスケジュールの検討をしようという話を先日、教育委員会事務局とやりました。すでに学習過程という意味ではガタガタですし、夏の切り札であるエアコンも、現状を踏まえると怖くて使えないかもしれない。
スペイン風邪の時、与謝野晶子は政府が劇場などの使用制限をやらない、とかいろいろと政府の対応がまずかったことを指摘していました。当時は今よりも感染症対策の知見もないし、なにより人命が軽かったのかもしれませんね。現代的には、社会のいろいろなスケジュールを犠牲にしてでも命を救うことが優先されるべき、というのが当然の社会的な合意事項で、それ以外のことはかなり大切なことでもリスケを強いられるだろうな、と思った方が良いですね。
何か月か前に書きましたが、戦後からバブル期ぐらいまでの日本は奇跡的に災害もさほど激甚なものは全国的な観点からは少なめで、健康という観点でも、結核がある程度克服されて、公害ぐらいしか特筆すべきことはなく、かなり平和な社会が続きました。
ただ、それは例外的に平穏で、幸せな日々だったのかもしれません。
ということで、これからしばらくはとにかく予定通りにいかない、ということを前提で行きましょう!