世襲、仲良しクラブ、非実力主義…日本社会の悪い癖 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

世襲、仲良しクラブ、非実力主義…日本社会の悪い癖

人って悪い癖みたいなものがあって、昔いた四代目朝潮太郎は押したり突いたりが身上なのに、ついつい安易なはたき込みをやっては無様に土俵に転がる、ということをいっとき繰り返していました。
組織とか社会にも似たようなところがある。

今の日本社会はそういう意味で、歴史的に繰り返してきた「世襲」「非実力主義」「お友達主義」という停滞期の「癖」が前面に出ているように思います。

そもそも、日本って科挙をやる代わりに世襲の貴族が官僚組織に成り代わって、厳格な身分制を構築し、江戸時代になると、武士階級も似たような組織になりましたね。社会はそれで回ったけれど、窮屈な世の中でした。
だから福沢諭吉が「身分制は親の仇でござる」なんてことを言ったわけですよ。
そんな社会が広く人材を「募る」社会より強いかどうか。

そもそもそれは、狭い日本だから争いを少なくし、安定的にやっていこう、という知恵であり意図なのだと思いますが、そこに継続的な改善は存在しても、イノベーションなど生まれようはずがありません。
鎖国できるならまだしも、国際的なヒトモノカネの流れが太くなり、国内だけ仲良しクラブをやることの意義はほぼないと思います。もちろん国内協調をしながら国際的に伍していく、という方向性もありますが、それならそれで、協調の原理が世襲と安定では競争力は皆無に等しい。

考えてみれば、長い歴史の中で、我々はその大部分を世襲と身分制の中で社会を安定的に運営してきたわけで、時折鬼っ子のように実力主義の社会が来る。南北朝から足利初期、戦国時代、維新から明治期、戦後しばらく。そして、その時代に必ず傑物が出て、日本が国際的にもプレゼンスを増す。

それにはやはり、世襲論理の排除や実力主義が求められるのだと思います。

そういう意味で、今の日本社会ははたき込みを必死でやっている見苦しい時の朝潮太郎。ダサいですね。北の湖を四回も倒した怒涛の突き押し相撲、強い朝潮太郎に戻すには、まず政界から、なんてことをふと国会を見ると思います。与党も野党もね。
ちなみに世襲でも優秀な人はいます。それはそれなんですよ。