法定得票と選挙報道〜法定得票を満たしたか報道しない新聞がある
最近、気になっているのが選挙報道のうち、得票数の記事における「落選者が法定得票数を満たしたか満たさないか」を報道しない新聞があるということ。
まず、日本の選挙制度では、投票総数に占める得票率が低すぎる場合、定数の範囲内の順位でも、当選人とはなれない、という仕組みになっています。その基準となる得票数が法定得票です。
地方選の法定得票には、もう一つ、大切な意味があります。それは繰上げの対象となるための要件であるということです。
さて、そもそも地方政治への関心が高まらない背景には新聞の取り上げ方の問題もあるのですが、ただでさえ貧相な地方選報道において、たかだか記号をいくつかつければいいだけの内容を省略するメディアがあるんです。
具体的には今回の朝霞、上尾の市議選の結果報道では、東京、毎日、産経の三社は落選者が法定得票を満たしたかどうかを表から省略しました。
当選者が3ヶ月以内に死亡した場合、他市に引っ越した場合などで、繰り上げ当選が発生することがあります。
その繰り上げ資格の有無が、あの記号でわかるのです。
たかだか三角印や四角印の1つや2つですが、ちゃんと意味があり、私は報道すべきなんじゃないかな、と思います。スペースがないわけではないんです。
何の都合で報道しないのかは私は知りません。
この画像、載っている方が朝日で、載っていない方が産経です。
その差はたかだか記号一個と注釈。しかし、この記号があることで、繰上げの資格者がいるかどうかは一目瞭然です。