「老後資金2000万円不足報告書」を考えるヒント | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

「老後資金2000万円不足報告書」を考えるヒント

「老後資金2000万円不足報告書」で世の中がざわざわしていますが、テレビのコメンテーター全員と、政治家のほぼ全員が嘘つきで、事実を語りません。ただ、私もそもそも国政の政治家ではないし、全体像とこれまでの経緯をしっかりと語るために割くエネルギーと時間がなく、どうしようかな、と思っていたところ、島澤諭先生がきれいにまとめてくださったので文末にシェアします。

要するに、100年安心(実は政府は公式には100年安心とすら言っていないのですが…)とは、5年に一回ちゃんと試算して、併せて受益と負担を見直すから、「とりあえず破たんはしませんぜ!」という仕組み作りだったのですが、作った当時の与党(=現在の与党)もそれをしっかり説明せず、さらには甘い試算を示してあいまいにごまかした、というものでした。

野党の間抜けさんたちも、政権交代の時に、国民に約束した年金の抜本改革(という名のできるはずもない空証文)を結局何一つ実現できなかった、ということについて恥ずかしいとも思わずに自分たちは安全圏にいると思って全面的に砲撃しているわけです。何しろ、彼らは実現できるわけのない甘言とでもいうべき公約を作った時点で破たんしていたのだから。

じゃあ、お前は秘策があるのか、と問われれば、「あー、全然ないですね」としか言いようがない。
何回か書きましたが、世代間で扶養する、という年金制度があり、将来的に若年層が先細りをし、日本経済は完全に落ち目、という流れの中で、誰が政権をとってもバラ色の未来などないのです。
ただ一つの政治的な正解ならあります。それは、人口問題、年金問題などは選挙の争点にしないという明確な与野党の一致の下、長期的な課題、目の前の課題について、与野党がともに泥をかぶって方向性を決め、少しでも被害を少なくしつつ、日本社会の経済的、人口的な課題について、取り組む、ということのみ。この問題は政争から切り離すべき問題なのです。

そして、これを読んでくださった物好きな方に一つだけ申し上げるなら、年金について、マスコミで発言している荻原某子などのテレビ評論家は経済のけの字も知らない素人なので、絶対に信用しないこと。これだけでずいぶん本質に近づくことができます。

ちなみに、自治体の選挙でも「実現できるわけのない甘言とでもいうべき公約」というのがよくあります。騙される自由はありますが、そのツケは住民の皆さんに回ってくる、という仕掛けです。

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