「A党でないと予算が来ない」は本当か?パート2
昨日のエントリー「A党でないと予算が来ない、は本当か?」にたくさんの方々からの共感の声をいただいたので補足します。
それは地方議会における大きなテーマである知事与党、知事野党(市長与党、市長野党)、というお話と、県議会における自公の関係のお話。
第一の論点、前提のお話として、議院内閣制でない地方議会において、与党野党という考え方はなじみません。
これが大前提。ですから、知事与党、知事野党という呼び方は学識のある方からすると論外で、私たち政治家でも地方自治と国政についてある程度勉強し、論理的に考えたことのある人間は知事与党とか野党という呼び方はしません。
まず、知事与党野党と叫ぶ政治家がいたら、その方は「学識の足りない政治家である」と言うことができ、これはマスコミについても言えます。市井の人が言うのはこれは単なる知識不足ですが、まあ、世の中の常識に対する学者とか専門家のアプローチが不十分だということで理解できるかと思います。
それは前提としながらも、下記の記事は「いわゆる」与党、野党という表現をあえて使います。
さて、「A党でないと予算が来ない」として、県政において、A党はいわゆる世間的にいう感覚で表現するなら「野党」です。
「えっ?」とおっしゃる方が多いかもしれませんが、「野党」です。主要な議案に片っ端から付帯決議を付けたり、教育長の委員会出席をやめさせたり、という行動はまさにいわゆる「野党」の振る舞い。
しかも重要なことはそのような決議では多くのケースで「A党県議団」が単独で行っているという事実があります。
つまり、公明、立憲、県民、共産は参加していないケースが多いのです(ここから第二の論点です)。
ですから、仮に国政与党でないと県の予算が来ないとして、でも、国政与党のうちの片方であるA党は県政では「野党」であり、公明党は「与党」であるとしたら、「国政与党」かつ「県政与党」である公明党の議員がいないところは軒並み予算が来ないことにもなりかねません。
もちろんそんなことはないわけで、実際には予算は必要性に応じて配分されますし、市町村としてはその必要性をしっかりと地元の県議とも共有しながら県には予算要望しています。
ということで、「A党でなければ予算が来ない」と仮にそういう事実があるとして、「えっ?でも、A党の皆さんは や、野党では?(県政に与野党というものはなじまないけれど)いや、野党ですよね」ということになります。
世間の皆さんの皮膚感覚でのいわゆる安倍さんの自民党(あ、書いちゃったからもういいや)と埼玉県議会の自民党県議団はものすごくカラーが違っていて、それはそれで興味深いのですが、県議会での投票行動でも自公は一体ではなく、これもまた国政とは異なります。特に公明支持の方々には意外だったのではないかと思います。公明党は基本的には知事与党というとらえ方で正解かと思います。
ご参考まで。