非違行為と違法性の阻却、明石市役所のケースから | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

非違行為と違法性の阻却、明石市役所のケースから

明石市長の発言録音問題のニュース
https://dot.asahi.com/dot/2019020400002.html
は他市の事例として非常に勉強になるケースなのでコメントしておきます。
まず、明石市について、前の市長もテープ流出で首を取られている、という客観的な状況があります。
また、記事によると、泉市長の発言を勝手に録音して共有する、という行為も常態化していたと言います。発言内容の課題についてはもう、泉さんが責任を取られるわけですからコメントはしません。
言えることは、おそらく、勝手に何かを録音して保管する、という明確な非違行為が蔓延しているのだろうと考えられます。
まず、役所での業務内容の無断録音は地方公務員法の守秘義務などいろいろな観点から許されないことです。
ただし、パワハラ行為などから身を守るための録音などは許される場合があります。いわゆる違法性が阻却されるケースかもしれません。
ただ、本件がそれに当たるかを客観的に、法的に掘っていくと、微妙なケース。
何よりも問題なのは、繰り返し録音が無断で行われ、ネタにされ、共有されていたというところです。この感覚で公務に当たられると、非常にまずいことになりますので、組織としても大問題。

私が和光市長に就任した際、職員がエレベーターなどで守秘義務に当たることを他の職員とヒソヒソ話でしゃべり、それを聞いた方から苦情が来たことがあるなど、和光市役所でも職員の守秘義務やプライバシーに関する感覚は一時期かなり課題になりました。もちろん、現在は対応はできているとの認識です。

次の選挙で当選される明石市長には、このような観点からの組織の引き締めが不可欠でしょうね。
他山の石とします。

ちなみに地方公務員法の規定を示しておきます。
これに何がどう当たるかまでは私としては特段検討していません。

「地方公務員法第34条(秘密を守る義務)
 
1 職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
 
2 法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。
 
3 前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。」