全国市長会理事・評議員合同会議⇒保育・幼児教育無償化にかかる要望活動 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

全国市長会理事・評議員合同会議⇒保育・幼児教育無償化にかかる要望活動

都市会館で開催された全国市長会理事・評議員合同会議に委員外市長として出席しました。
昨日の私が座長を務めている子ども子育て検討会議と泉明石市長が委員長を務める社会文教委員会の合同会議での検討結果がどう扱われるかを見届けるとともに、夕方の各大臣への要請行動の際に、その空気感を伝聞ではなく、ダイレクトに伝えなければならないからです。

冒頭の立谷会長のあいさつでは、 会長就任以来の取り組み、さらには10月15日の国と地方の協議の場でのやり取りから説き起こし「幼児教育無償化財源につき、消費税増税分の国と地方の配分が決まった後で後出しで出てきた幼児教育無償化につぎ込むと来たのはおかしい。そして、まだ保育の質の担保ができていない。いわゆる『劣悪な環境』を容認した幼児教育・保育の無償化は認められない等々、と主張したが解決を見ない。昨日の社会文教委員会・子ども子育て検討会議では市長会として筋を通せという意見集約がなされた。この後、決議を踏まえて要請行動を行う、という趣旨の話がありました。

次に総務事務次官から「地方行財政の課題」と題して講演がありました。

次に協議事項として、関連部分では、行政委員会委員長の立川市長からの報告で幼児教育と保育の無償化に触れるとともに、社会文教委員会委員長の明石市長からは、昨日ご紹介したような検討経緯の報告がありました。

次に諸決議の採決が行われ、副会長の清原三鷹市長から「子ども・子育てに関する決議」が提案されました。併せてその際、「『子どもたちのための幼児教育・保育の無償化』を求める緊急アピール」も提案されました。これは、和光市の担当職員とも練りに練って和光市としての意見も十分に反映させたものです。この決議については、昨日は社会文教委員会と子ども子育て検討会議名義で案として採択されましたが、あらためて市長会名義で決議すべきである、という提案がありました。
ものすごい熱気の中で全会一致で採択されるかに見えました。しかし、ここで採択を遮る声がありました。多治見の古川市長です。
いわく、「決議と緊急アピールには賛成。しかし、あらためて、中途半端なことにならないよう、会長の不退転の決意を聞きたい。また、重要事項だから会長預かりではなく、最終的な意思決定では市長を集めて確認を取っていただきたい」等々の発言・質問があり、立谷会長からは「一任ではなく、市長の皆さんの合意を踏まえて市長会の姿勢を明らかにする」という趣旨の答弁があり、さらに熱気が高まる中で、アピールは市長会のアピールとなりました。

その後、理事・評議員合同会議の結果を踏まえて、全国市長会は正副会長のAチーム(公明党、官邸)と社会文教正副委員長、子ども子育て検討会議正副座長のBチームに分かれて要望活動を行いました。
私はBチームで、まず、参議院自由民主党幹事長の吉田博美参議院議員を参議院に訪ね、次に厚生労働記者クラブで市長会の現状認識や課題について記者会見を行い、文部科学省で柴山昌彦大臣に、厚生労働省で根本匠大臣に、その後、立谷会長、谷畑副会長と合流して内閣府で宮腰光寛大臣にそれぞれ時間を取っていただき、幼児教育・保育の無償化について「言い出しっぺの国が全額負担すべきこと」「保育の質を確保すべきこと(認可外とかベビーシッターとか市町村で管理しきれないし、一人保育は事故が心配等)、10月実施の困難性(本当にきつい)という三点セットのお話をしました。
無償化で質が下がり子どもが犠牲になるのでは本末転倒。無償化で予算が取られ他の子ども施策にしわ寄せがいくのではこれまた本末転倒。

 

(そうそう、交付税措置されても特に不交付団体は凄く困る、という話を柴山大臣にお話ししたところ、選挙区に三芳町という不交付団体を抱えておられるだけに、瞬時にご理解いただけたのは非常に嬉しかったです。普通はなかなかご理解いただけないんですよね。)

物理的にも10月実施で認可だけ、というのは十分な予算措置を講じていただければ何とかなるでしょう。認証もまあ、関係都県は何とかするでしょう。
しかし、認可外指導監督基準を満たし、今後、認可に向けて努力をする施設の努力をどう監督するのか。認可外指導監督基準を満たさない施設の質の担保など可能なのか。ベビーシッターという定義のない、つかみどころのない存在をどう把握し、どう質を守るのか、となると妙案はなく、しかし、仮に5年の時限措置であっても補助を始めてしまったら、どんなに質の確保が困難でも、元に戻すことは不可能に限りなく近いでしょう。

今日お伝えした問題意識が関係者に伝わり、善処されることをまずは祈り、そして明日以降も頑張って行こうと思います。