無党派のための参議院比例代表の選び方
参議院議員選挙と衆議院議員選挙、どちらも比例代表というのがあるのですが、仕組みが違うのでわかりにくい。
特に私は確信犯の保守系無党派(バークを理解しない政治家は保守政治家にあらず)なので「どうすればいいの?」という無党派の方のためにヒントを。衆議院の説明をするとややこしくなるので、言及しません。
参議院の比例代表では候補者名か政党名を記載します。
参議院の比例代表は非拘束名簿方式といって、政党が当選者の順位を決めるのではなく、政党内の当選者の優先順位については、それぞれの候補者得票順に当選者が決まります。もちろん、政党全体の得票の多寡で政党全体の当選者数は決まるので、党名で投票するのは無意味ではありません。
ただ、党名で投票するとその中身は「その党に候補者名で票を投じた人々にあなたの一票の使い道をゆだねる」ことになります。
ところが、往々にしてその党に候補者名で投じられる票というものには見事なまでに「色」がついているので、そこを見落とすと、意図とは違うことになりかねません。
あなたが誰かを当選させたい、と思っているとか、あるいはA党は好きだけど、あの職業団体はちょっと苦手、とか、B党は好きだけど、あの業界の組合はヤダ、とかいろんな思いがあると思います。
そこで、面倒だとは思いますが、比例では「これ」という候補を知らない場合には、しっかりと名簿をチェックしてください。
誰かに薦められた候補、というのも申し訳ないですが、特に参議院の全国比例では要注意です。
誰かに薦められた候補、というのも申し訳ないですが、特に参議院の全国比例では要注意です。
どの党も参議院の全国比例には「組織候補」と「諸般の事情により選挙区から外れた(あるいははずされた)候補」がいます。
もし、あなたがしがらみのない自由な市民だとして、組織内の候補というのは基本的に「自分の思いは実現してくれそうにない候補」であると考えるべきです。なぜなら、組織内候補には、組織の論理を国会で貫徹する、という至上命題があるからです。
また、「諸般の事情」にもいろいろな種類があります。典型は今回の合区で候補者を出せなかった県の代表という位置づけの候補ですが、他にも公認争いで負けた、とか、衆議院で落選して回ってきた、などの事情があります。保守派の鳥取県民ならこの人を選んどけ、みたいな話です。
衆議院議員選挙で応援した候補が出ていたら、これを応援する、ということもまあ、できるわけです(参議院は衆議院の二軍ではない、というテンプレ的なお叱りが出そうですが…)。
いずれにしても、単純に政党名を書くと、(前回を参考にして代表的な事例をお示しするなら)自民党なら上から郵便局、農協、自衛隊(前回は陸上。今回は航空)、歯科医師会、体育団体、医師…、ということになりますし、民進党だと上から自動車の労組、電力の労組、地方公務員の労組…、ということになります。
その他の政党はまた、名簿を見れば別の論理が見えるはずです。
どうですか?
少なくとも、普通の人々にとり、フリーで「**党」と書くことのもったいなさ、というのはなんとなくご理解いただけたのではないかと思います。場合によってはあなたの一票があなたにはマイナスにも働きかねないわけです。
無党派なあなた、比例区こそ「人」で選んでください。