理研が開発した新種の桜「仁科蔵王」が見頃です | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

理研が開発した新種の桜「仁科蔵王」が見頃です

理化学研究所本所(和光市)の阿部先生らがJFC石井農場とともに加速器による重イオンビームを使って開発した新種の桜である「仁科蔵王」が見頃です!
市役所の駐車場東側の斜面にあります。

(4月6日の様子)

「仁科蔵王」をはじめとする「仁科」シリーズの桜は、理化学研究所仁科加速器研究センターの加速器「リングサイクロトロン」による重イオンビームを桜の枝に照射、突然変異させることで作られました。

重イオンビームは、自然界での突然変異からの選抜はもとより、他の突然変異を起こす技術より短い期間で新品種の開発ができるそうです(仁科蔵王のもととなった桜は御衣黄という品種です)。


では、なぜ桜に「仁科」とつけているのか。理研の「サイクロトロン」は昭和12年に仁科博士が原子物理学の研究のために日本で初めて作った実験装置なのです。そして、当時理事長であった野依良治先生の発案により、これにちなんで仁科博士の名前を新種の桜につけるようになった、とのことです。


さて、平成19年に新品種として登録された仁科蔵王は平成21年、大きな危機を迎えます。それが東日本大震災による福島第二原発の原子力事故です。この事故により多量の放射性物質が、仁科蔵王を実際に品種化した理研のパートナーであるJFC石井農場(山形県)を襲いました。

石井農場によると、人為的な突然変異による育成品種は放射性物質の汚染に弱く、低線量でも大きな影響を受けるのだそうです。そして、仁科蔵王をはじめとする重イオンビームによる開発品種の桜は次々と枯死してしまったのです。(詳細は下記リンク先参照)

http://www.prunus.net/Press/NishinaZao.html


ですから、現在、仁科蔵王は市販されてはいません。仁科蔵王の原木を失った石井農場は岡山県にある仁科会館からの枝分けを受け、再度仁科蔵王を育てているとのこと。販売再開が待たれます。


なお、仁科蔵王は開花後、色が変わることで知られています。

これからその様子もご覧いただけると思います。

なお、過去のその様子については下記リンク先(和光市サイト)もご参照ください。

http://www.city.wako.lg.jp/home/miryoku/suteki/shiki/_5752/_11407.html

*仁科蔵王についての理研の解説はこちら。

http://www.riken.jp/pr/fun/sakura/ (4月8日)