政府機関の地方移転問題に関して、理化学研究所の地元自治体として移転しないよう陳情 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

政府機関の地方移転問題に関して、理化学研究所の地元自治体として移転しないよう陳情

先週、文部科学省の豊田真由子政務官を訪問し、政府機関の地方移転問題に関して、理化学研究所の地元自治体としての意見を申し上げました。

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和光市は陸軍、米軍時代、地域のど真ん中に立ち入り禁止区域を設けられ、大変苦労してきました。そもそもは農家から陸軍が脅すように買い入れた場所です。
また、返還にあたっても多額の地元負担を求められ、非常に苦労してきました。
そんななか、理化学研究所、自衛隊、司法研修所などが市内に立地し、必要なところではさまざまなお手伝いもしつつ、国策への協力をしてきました。
理化学研究所に関しては、本所として、重要な研究施設が
立地し、さらには地域では有数の大きな雇用元として、地元の経済にも大きな影響力を持っています。和光市としても、理研との共存共栄を図り、その発展に寄与すべく努力
してきました。...

ところが、今般の地方移転問題が持ち上がり、突然に17もの移転を求める手が上がりました。地元としてはまさに、青天の霹靂です。和光市としては国から意見を求められるであろうと待っていたのですが、どうもそういう機会は設けられないらしい、ということが判明したため、急きょ、豊田政務官を訪問して、これまでの経緯や市としての考え方をお伝えした次第です。

理研は交通至便の地、和光に大きな塊としてあるからこそ、研究者にとっても魅力的であり、また、現在の研究水準が保たれているという側面があります。国際学会に行くのに羽田まで1時間かからず、都心の主要大学の多くが一時
間圏内、という立地は正直、他にはないのです。共同研究の相手先にも事欠きません。
一方で、和光は埼玉であり、東京一極集中を緩和するために都内から多くの国の機関が移転して
きている場所でもあります。そもそも、理研も都内から和光に移転してきたわけで、さらに地方移転などということは理屈からしておかしいのです。
豊田政務官および文部科学省の担当の方には、現在の理研の立地の重要性など、我々の主張をじっくり聞いていただけたと思っています。
政府機関の地方移転問題は和光市にとって対岸の火事ではない、ということを共通認識として、関係各位にも知っていただきたいということで、報告を書かせていただきました。