朝霞准看護学校の卒業式にて | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

朝霞准看護学校の卒業式にて

先日、医師会立朝霞准看護学校の第47回卒業式に出席させていただきました。2年前に入学した10代から40代までの36名の生徒は、仕事や家庭と両立しながら全員が脱落することなく卒業を迎えたとのこと。私からは「高齢化社会の中で医療・看護人材が不足する時代が来ている。看護師は専門性を高め、医療の高度化に常に対応しなければならない。よって、資格試験合格後も准看護師という資格に安住することなく、次のステップに挑戦され、さらに技術と知識を磨いていただきたい。」とお話ししました。
この卒業式、前半はたいへんおごそかで、卒業生には笑顔ひとつなく、緊張感がものすごいのですが、最後の卒業生の退場で急にはじけます。その爆発的な瞬間に列席者は一瞬で涙を流す、という毎年の流れなのですが、参加者は毎年涙を流して感動しています。

昨今、准看護師という制度に疑義が呈されてはいますが、高校を卒業していなくてもクリニックで働きながら、2年間で資格が取れる、というのはこの格差社会においては非常に貴重なのではないかと思います。もちろん、准看護師のままでは医療の高度化にはキャッチアップできないことは明確な事実であり、校長先生からも「次のステップを」との式辞がありました。

なお、私の思いとしては、准看護師は全員が遠からず看護師を目指すべきであると考えています。そうでなければ、神奈川県が准看護師の養成をやめたようなことが全国で進むことでしょう。逆に、この制度があるからこそ、看護人材が地方のクリニックまで何とか供給されているという実態もまた、あるわけです。

私は放送大学大学院の学生でしたが、放送大学には看護学士を単位積み上げで目指す方、教養学士を目指し、次のステップに進む方など、看護師さんがたくさん学んでおられます。
また、看護士資格を准看護師が目指す際の単位の一部も取得できますし、それは将来、学部を卒業するための単位としても使えます。
複線型の多様なキャリア形成の一つのラインとして、准看護師ルートを准看護師自身の学びとキャリアアップが守る、という流れになれば、と毎年思いながら卒業式を見守っています。
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