母校での講演から3年 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

母校での講演から3年

かなり個人的な内容ですが、お許しください。
私は兵庫県生まれで、明石城西高校という典型的な地方の県立高校の出身です。

実は3年前の春に当時の校長先生にお誘いいただき、母校の入学生のオリエンテーションで講演させていただく機会をいただきました。

当日は、高校時代の学び、大学時代の学び、社会人としての学びなどを中心に、私の人生における学びの反省点と、高校生に伝えたいことをお話しさせていただきました。
そのなかで、最後に「一回、意図的に関西人という意識を超えるために、もし余裕があったら、東京に進学したらどうだろうか」ということを訴えかけました(私自身、バブル期の東京での学生生活は大きな人生への刺激になりました)。
あわせて、経済的な心配があるなら、という前置きで、これまた私の母校である早稲田大学の首都圏以外出身者向けの予約型奨学金についてもご紹介しました。

「これがあれば、下宿で首都圏の国公立大学に行くのと同等か安いぐらいの負担で早稲田に来ることができる」と具体的にお話ししたのです(ちなみに、この「目指せ!都の西北 奨学金」は年額40万円(給付)・4年間の継続支給。所得制限があります)。
https://www.waseda.jp/syogakukin/mezase.html
その後、しつこいのですが、早稲田の奨学金担当から明石城西高校にこの奨学金の資料を送ってもらいました。


今回、その時に話をさせていただいた学年が大学を受験しました。

結果は驚くべきものでした。

http://www2.hyogo-c.ed.jp/~josai-hs/?p=9089

なんと、国公立志向・関西志向の圧倒的に強い母校としては史上初の7名という早稲田への大量合格を果たしてくれたのです。これにはびっくりしました。そもそも、そんなに大量の首都圏の大学への受験生自体、出たことのない学校ですから。他にも都内の大学への合格者が特段に多い年でした。もちろん、私の話が何らかの役割を果たしたかというとわかりませんが、少なくとも話を聞いてくれた生徒の中に都内への進学者がいるとうかがい、大変うれしく思いました。
さて、高校生の地元志向がかなり強まっています。早稲田だけでなく、首都圏の大学の入学者の出身校の首都圏への偏りが大学関係者の悩みの種になっています。

これは我が国の活力にとってもあまり良くないことなのではないか、と私は思います。ただ、これまで、大学入学とともに首都圏に出た若者が地方に戻らない(戻れない?)ということがあり、地方創生の取り組みの前提の課題としても注目されています。
戻らないのは確かに問題です。一方で、一度外に出た人材がまた地元に戻るなら、出たことがない人間とは一味違った活躍ができるのではないか、地方創生には欠かせない人材になるのではないか、とひそかに思っています。
(戻らないで和光市民になる手もありますけれどね。)

上記の奨学金の話は一例ですが、何かチャレンジへの制約条件があるとして、それは解決可能かもしれません。

私自身、兵庫県の運営する寮がなければ、お世話になった二つの奨学金(貸与型でした)がなければ、経済的に首都圏の私大に進学することは不可能でした。

いずれにしても、3年前の後輩たちとの交流を懐かしく振り返りながら、機会があったらまた、母校でお話ししたいな、と思いました。


*同様の奨学金は明治大学などにもあるようです。