和光国際高校「和国アカデミア」
今日は和光国際高校の「和国アカデミア」というキャリア教育プログラムで1時間の枠をいただき、高校生と交流をしました。和光国際高校は教養豊かな国際人を育てる、という考えの下、社会人を招いてのキャリア教育を行っており、これまでにも世銀や理研から講師を招いての講座を展開しています。私は国際人とはほど遠いのですが、地元の高校生との交流は楽しみなので登壇させていただきました。
タイトルは「普通のサラリーマンが市長になったら…」。
高校生向けの話ということで、私のこれまでの経験を踏まえての仕事と人生と学びについて、率直にお話をさせていただきました。
まず、時代の認識を、ということで、日本の国際プレゼンスの低下、人口減、高齢化という状況と、そこから導かれる未来の日本や世界を的確にとらえる必要性、その分析結果を視野に入れて仕事を選ぶことの重要性についてお話をしました。
また、私は学部選びがいい加減だったために、ずいぶん学生時代を無駄にしましたが、そんな回り道の中にもいろいろな学びがあったこと、それらはすべて後で生きてきたこと、そして、社会人としての経験や編集者という仕事の醍醐味、政治家という仕事の魅力、さらには社会人大学院生としての学びから得たものについてもお話をしました。
最後に、明治生まれの2人の尊敬する国際人として、栗林忠道と石田礼助を紹介しました。戦場に散った栗林と国鉄改革を推進し、寿命を全うした石田の人生は対照的ですが、2人はほぼ同時期に生まれ、戦前のアメリカの豊かな物質文明に触れ、それが2人の人生に大きな影響を与えました。そして、2人はわが国屈指の国際人であり、国際人を目指す高校生にはぜひ知っていただきたい先達です。
ちなみに、栗林については『散るぞ悲しき』(梯久美子)が、石田については『粗にして野だが卑ではない~石田礼助の生涯』(城山三郎)が読みやすく、おすすめです。
そして、最後に私の好きなスティーブ・ジョプズの下記の言葉を紹介し「人類のプールに貢献しようぜ」とアジテーションをして結びました。
和国の皆さんが参照しやすいように原文を引用します。
“You know, we don’t grow most of the food we eat. We wear clothes other people make. We speak a language that other people developed. We use a mathematics that other people evolved… I mean, we’re constantly taking things. It’s a wonderful, ecstatic feeling to create something that puts it back in the pool of human experience and knowledge.”
お示しした訳ですが、今日はよくネットにある訳ではなく、若干それっぽくアレンジしたものを使いました。
「皆さんが知っているとおり、私たちは、食糧のほとんどを自分で作らない。私たちは他人が作った服を着る。私たちは他の人々が培ってきた言葉を話す。私たちは他の人々が発展させてきた数学を使う。何を言いたいかというと、私たちはずっといろいろなものを受け取り続けているということだ。何かを作り出し、人類が築き上げてきた経験や知識のプールにお返しをすることでエクスタシーを感じるんだ。」
その後、たくさんの質問をいただきました。
話を熱心に聞いてくれた生徒の皆さん、普段の「どこでも市長室」や「市長と話そう」とは一味違った交流の機会を与えていただいた校長先生と関係各位に感謝申し上げます。