和光市の水道水はどこから来るの?(追記あり)
和光市など、埼玉県南部の水道の水がまずい(都内は高度処理という札束処理で無理矢理美味しくしている)のは有名ですが、この水、どこから来るのでしょうか。
実は、和光市の水はさいたま市桜区の大久保浄水場から来ています。
(大久保浄水場から来るのは70パーセント強。残りは市内の井戸。この水は美味しい。)
そこから、送水管で荒川を渡り、志木市、朝霞市をぐるっと回ってやってきます。
上水道を出発した水は4時間~6時間かけて朝霞地区4市(朝霞、志木、和光、新座)に到達し、最後は最も遠い和光市に到達するのです。
①から図の下側にある和光市までですから、その遠さがおわかりいただけると思います。
遠くまで送るということは塩素も強いものが入っています。
しかし、塩素はトリハロメタンなどの関係で最近、使い過ぎはまずいとされており、欧米には塩素の投入とがんとの関係も論文になっていたりします。
また、大久保浄水場の水源はすべて荒川の河川水です。
このため、県では水を美味しくする、という名目で都内とおなじ「高度処理」を大久保浄水場にも導入するとしています。
しかし、高度処理は電気と薬品を多用する「化学(ケミカル)処理」であり、県水道局が宣伝する「エコ」とは背反の関係にあります。
また、長距離の水の移動によるポンプの電気もバカになりません。
県の推進する水源の一元化の背景にあるのは高コスト、そして、「反エコ」です。
また、県はこの県営水道の水をもっと買わせようとしています。
しかし、そもそも県営水道の水を買わせるということは自前の水源を使わせないということでもあります。
そして、和光市にとって、自前の水源とは美味しい武蔵野台地の地下水です。
そもそも県南では地盤沈下は沈静化しているし、計画的に地下水を使えば莫大な施設への投資と電気代をかけて広域の水道をつくるコストも浮いてきます。
また、最近見直されている緩速処理(緩速ろ過、生物濾過)によると、高度処理は行わなくてもおいしい水ができます。
今すぐどうにかできるほど小さな問題ではないのですが、ぜひ、市民には図とともに、現状をご理解いただければと思います。
追記1:緩速濾過の場合、大気中の汚染物質が雨とともに流れ込むリスクがあります。
追記2:和光市の井戸は深井戸であり、大気中の汚染物質が即座に入り込む可能性は低いとされています。