この一年を振り返って~財政漬けの一年 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

この一年を振り返って~財政漬けの一年

2008年が間もなく終わろうとしています。

この一年間は、自治体の財政について考えたり話する機会が多かった気がします。

千葉商科大学会計専門職大学院と公会計研究所の共催の「自治体財政研究会」では、自治体の財政の見方の基礎、長期財政分析の考え方などのお話をさせていただきました。

秋には前我孫子市長の福嶋浩彦さんとコラボで自治体の財政について話をするという機会もいただきました。彼の市民自治イズムは財政という切り口でも冴えわたっていました。

また、雑誌「エルネオス」でも自治体財政の見方の記事を書かせていただいたり、あるいは、雑誌の匿名記事を書くために以前からお目にかかりたかった多摩自治研究所の大和田一紘さんを訪ねて日野までうかがったり…。

特に、財政についてお話をするために北海道と九州を訪問し、現地の議員や市民の皆さんと交流できたことは本当に勉強になりました。

関東近辺の自治体の財政については、議員仲間との交流でいろいろと知っていたのですが、地方には地方にしかない問題や補助金など、私の知らない世界がたくさんあることがわかりました。

人前でお話をする機会が時々あるとはいえ、私自身、現地の皆さんとのやり取りの中でいろいろと教わり、それで成長することができたと思っています。


また、夏には大学生インターンのU君にいろいろと手伝っていただきましたが、特に彼には懸案だった長期の決算カードのデータ入力をやっていただき、ようやくこれまでは一部を除き10年分しかさかのぼっていなかった、和光市のデータについても整理することができました。

その中で、現職市長の野木さんと、その前の田中さん、さらに前の柳下さんのそれぞれの財政運営について、私のビラ、会派「新しい風」のビラや、あるいは市内のミニコミ誌を通して市民に知っていただくこともでき、これも意義深かったと思います。


折しも世界経済の大転換期、和光市はその直接的な影響を大きく受けています。

そんな中、夏までの私の市政への姿勢と比較しても、私の考え方は大きく動いています。今の施策の延長線上では、和光市の財政を立て直すことは難しい、そして、これからの数年間に求められるのは、抜本的な改革である、ということ、それを昨今は今まで以上にはっきり認識しつつあります。


これまでも、自動車業界が今後も今までどおりである理由などない中で、和光市は法人市民税がないものとして運営しなければならない、と一貫して訴えてきました。

また、財政危機は近い、と訴えても来ました。その、実現してほしくない予測はもっとも極端な形で実現しつつあります。


時々仕事をさせていただいているある雑誌の忘年会で、私と同年代の編集長は「来年はとても厳しくなりそうだけれども、少しはいいことがありますように」と乾杯の音頭をとりました。

もっともな認識だと思います。

厳しい中で明るい未来への種も蒔いていきたいものです。


この一年間、あらたに得たいろいろな知識、知恵をしっかりと消化しつつ、和光市により大きく貢献できたら、と思っています。