チューリップ元気の会溝井理事長による発達障害を理解するための学習会(こどもみらいわこう) | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

チューリップ元気の会溝井理事長による発達障害を理解するための学習会(こどもみらいわこう)

一度お目にかかって詳しくお話ししてみたい、という人がいます。

そういう方とお目にかかり、思った以上に面白い話が聞けたりすると本当にうれしくなるものです。


今回は和光市のNPO「こども みらい わこう 」によるNPO「チューリップ元気の会 」理事長の溝井さんの講演会があり、参加してきました。

溝井さんとチューリップ元気の会については、発達障害に関心を持つようになって以来、ずっとネットで調べ、話を伺いたいと思っていましたので、本当にありがたい勉強会でした。


以下、溝井さんの話を私のメモの中からご紹介します。

「二人の子どもがいる。上は高校生、下は小学生の男の子。生まれた時は障害があるとは思わなかった。

まず違和感を感じたのはのは下の子が1歳3カ月の時。ものすごい多動だった。そして、1.5歳児検診で言葉の遅れと指さしができないことを指摘され、2歳を過ぎても発語がなければ専門医で検診を受けるようにと勧められた。

言葉での表現ができず、かみつきが多く噛み跡だらけになってしまった。

2歳になっても発語がなく、家族で東大病院へ。そこで、ADHD等の複合的な状況と診断される。

また、一緒に行った長男についても「気になりますね。ADHDかも」と言われる。帰宅後、ADHDについて知らなかったのでネットで調べるとまさに、長男の状況と酷似していて、ショックで頭が真っ白になった。

人はあまりに大きなショックを受けると心がフリーズしてしまう。まさにそういう状況になった。

しばらくは毎日泣いて暮らしていた。

その後、障害を持つ子を育てながらもとても生き生きと暮らしている母親*と出会い、「障害のある子供を育てていても笑っていいんだ、幸せになれるんだ」と思うことができた。

結局、長男は5歳の時にADHDであると診断された。


長男について、早くからADHDであるとわかっていたので小学校入学時には校長、教頭、担任にADHDであることを伝えた。

発達障害児は見た目ではわからないので、普通は周囲といろいろとトラブルが発生して、不登校になってから気づくケースが多い(本人も自分の脳の動き方と周囲の子供たちの脳の動き方が違うとは思わないのでトラブルになってしまう。本人も困惑する)。

入学後、一年生の間は順調だった。

二年生になって担任とのトラブルがあり、学校の行くのをしばらく休ませた。

その間、同級生の母親が支えてくれた。

また、校長が教員向けの発達障害の研修を夏休みに行うなどの対応を行ってくれた。

翌年には徐々に学校に行けるようになった。

とにかくトラブルが多く、学校の教員からは愛情不足、育て方が悪いという烙印を押されるなど発達障害に対しての理解が学校には希薄だった。

長男で苦労したので、二男の時には「通信」を同級生の保護者に配布して理解を求めた(理解していないこと、知らないことによる不安を取り除く)。理解してもらう努力が必要。

その後、2年生からは特学に入ったが、交流授業で普通級に行くと皆が知りあいなので自然に溶け込めている。これがノーマライゼーションだと思う。

父親に理解させるのも大変だった(たびたび夫婦喧嘩になった)。

特に長男は家にいる分にはごく普通で、集団行動と字を書くことが苦手なだけなので、書道の時間やカブスカウトの様子を父親に見せて理解させた。

今は非常に協力的(子どものことがなければこんなに夫婦の会話はあっただろうか・・・)。



こんな流れの中でNPOを立ち上げた。ダンナは事務局長に就任し協力した。



二次障害を防ぐためには周囲の理解が不可欠。また、自己肯定感を育てることが必要だ。

前向きな子育てで子供のやる気や根気を育てる。

これが将来の就業につながっていく。


今、長男は私学に通っている。私学には発達障害児が増えている。これは公立でのいじめ、学校の荒廃を避けてのこと。

あまりに増えたので、学校側もその対応を真剣に検討しているところが多い。


本人への告知には一定の条件が整っていることが不可欠。

条件としては、

本人が自分の問題について疑問を持っていること、

親の理解が十分であること、

サポート体制ができていることなど。」


その後、溝井さんを囲んでの昼食会。

「学校は軍隊みたいに行動するところを学ぶ嫌な場ではなく、子供が苦手なところと得意なところを同学年の子供たちと一緒に生活しながら発見し、対策を考える場」

「子育てのために学校は利用しなきゃ」

元気な溝井さん、平田さんのエネルギーに圧倒されました。

そして、前向きさの大切さを注入された気がします。

今まで出会った障害児関係で凄い「仕事」をしておられる人々に共通しているのは、我が子の将来を考えて真剣に苦悩し、努力する姿です。

ふと思い出したのは、以前お邪魔した恵那市のパン工房「たんぽぽ」です。パン工房の記事 もご覧くださいね。


ざっくりしたメモですが、もっと詳しく知りたい方はリンク先の「チューリップ元気の会」のサイトにある埼玉新聞の連載 もご覧ください。

私が今までずっと参考にしてきたサイトです。