会派「新しい風」の予算要望 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

会派「新しい風」の予算要望

10日午後、市長に予算要望を提出。

その後、市長と40分ほど懇談。

とりあえず、内容を転載します。



「平成21年度予算編成」に対する要望書

地方財政健全化法の施行後初の決算審査である19年度会計決算審査では、当然のことながら全指標で健全化基準を大幅にクリアしたものの、実質単年度収支の赤字、純債務の5年続けての増加など、和光市の財政は楽観できない状況であることが明らかになりました。

さらに、アメリカの金融危機に始まった世界的な景気の後退は、国際的なメーカー1社と個人市民税に大きく依存する市の歳入に大きな影を落とし始めています。

一方で、少子・高齢化、団塊世代の引退による住民税の減少、扶助費の増大をはじめとする福祉分野の歳出増等、中長期的にみても市の財政には明るい要素は見られないのが現実です。

これまで、市は一時的な歳出減に主として市債の発行で対応してきました。しかし、経済のファンダメンタルズの弱さを踏まえるなら、今後もこのような対応を続けることは市財政の将来的な危機につながることが予測されます。

次世代に負担を残さないために、来年度は緊縮型の予算編成が望まれるとともに、中期的にも財政規律の厳格な引き締めが求められます。

一方で、学校教室不足の深刻化、低年齢児を中心とした保育園・学童保育の待機児の増加、幼稚園の絶対的不足等の問題への対応は不十分です。既に近隣市の間では将来的な納税者確保のため、子育て世代の奪い合いが始まっており、当市としても思い切った投資が不可欠です。

そして、さらなる高齢化への対応をはじめ、防犯・防災、都市基盤整備等、避けては通れない課題が山積しております。

歳入の減少と行政需要の増加への対応策としては、「市で行うべき仕事」「委託すべき仕事」「市で行う必要がない仕事」という切り分けを積極的に進める以外ないことも申し添えておきます。

平成21年度予算編成に当たって、国県の動向、社会経済情勢を的確に踏まえ、今後とも限られた財源を効果的かつ公正に役立てていかれるよう、以下のように要望いたします。

――― 要 望 事 項 ―――

【投資的事業の厳選】

投資的事業にかかる予算計上の意思決定に当たっては、まず建設ありき・支出ありきではない、客観的な需要の検証とコスト分析を行うこと。また、需要が逼迫していないものに関しては可能な限り見送ること。

【事業の意思決定過程の透明化】

新規事業を行うに当たっては意思決定に到る記録を整備し、事業責任の所在と説明責任を果たすこと。

【コストマネジメントの推進】

行政評価においては、外部委員会の評価を重く受け止め、事務事業ごとのコスト情報の正確な認識・公表・フィードバックなどを徹底し、予算・人員配置につなげること。

【複式簿記・企業会計等経営マインドの浸透】

新公会計制度に対応するとともに、効率的かつ公正な資源配分を行うため、職員への複式簿記体系・企業会計方式理解に向けた研修導入を検討すること。

【予算書・決算書の改善】

予算書・決算書の作成に当たっては、市民自らの検証が可能となるよう、項目ごとの算定根拠を示すとともに、市民に理解しやすい表現とすること。

【情報公開の推進】

情報公開のさらなる改善のため、各種公文書のホームページ掲載の拡充をはかるとともに、使いやすいインデックス、検索機能の導入を急ぎ、財政・統計情報の拡充を推進すること。また、掲載データのアップデートを適時に、的確に行うこと。

【公共施設のライフサイクルコストの把握と公開】

新設・既存を問わず、公共施設のコストデータを整備し、維持管理や新規施設の検討に反映させること。

【公共施設維持管理のシステム化】

 全公共施設の維持管理計画を早期に整備し、公共施設の維持管理のシステム化に努めること。

【市民参加手法の充実】

早期に市民参加条例の見直しに着手すること。また、幅広い意見を集めるために各種委員の重複を避けるとともに、作文による審査を廃止するなど、参加手法の改革を行うこと。

【市民主導の協働の推進】

協働の推進においては、市民主導を旨とすること。

【独自の起債制限の導入】

適切かつ健全な財政運営を行うため、連結概念を取り入れた独自の起債制限や債務残高の総量の自主規制基準(総額、人口一人当たりなど)を導入すること。

【収納率の向上】

督促状の色分けなどによる工夫を凝らし、収納率の改善をさらに推進すること。

【基準モデルバランスシートの早期導入等、財政情報のさらなる可視化】

基準バランスシートを早期に導入すること。また、市民向け予算説明資料の作成、市民参加の財政白書作成など財政状況のわかりやすい説明を工夫すること。

【契約業務の公正性・透明性の向上】

簡易型総合評価方式・解除条件入札制度の早期導入等、より公正・透明な入札が行われるための仕組みづくりを進めること

また、指名競争入札を廃止すること。

【工事検査の適正な執行】

 工事の検査に当たっては各検査員の責任を明確化するとともに、抜き打ち中間検査の実施、完了検査の充実等の対策を講じ、適正な工事の執行を確保すること。

【ごみ焼却施設】

現行ごみ焼却施設の可能な限りの延命措置を図るとともに、施設更新・広域化の検討は慎重に行うとともに、検討課題・内容について市民への早期の情報提供を十分に行うこと。

【緑地保全基金の創設】

緑地保全のための基金を創設するとともに、ふるさと納税制度の活用などによる市民の寄付の積極的な募集を検討すること。

【和光ブランドの確立】

和光市の地域資源に関する調査・研究を行うとともに、ブランド戦略について検討すること。

【指定文化財の保全】

個人所有の指定文化財を定期的に確認・保全する仕組みを確立すること。

【公共施設の利用促進】

利用率アップを役所として推進すること。また、広報面等で指定管理者等との連携を深めるとともに、関連団体の意見吸い上げに努めること。

【地域活動拠点づくりの推進】

地域ごと公園等広場を確保すること。また、地域活動等において、打ち合わせに気軽に利用できるスペースを公共施設等に確保すること。

【犯罪のないまちづくり】

犯罪情報の提供を積極的に行うとともに、地域防犯活動への援助をさらに推進すること。

【大規模災害時の連絡網の確保と地域支援体制の構築】

防災計画が確実に実行できるように、市と地域住民を的確につなぐ連絡網の確保に努めるとともに、災害要援護者のための福祉避難所の整備等、地域活動を的確に支援できるしくみづくりを行うこと。

【都市型水害対策と雨水利用の促進】

短時間雨量の増加による都市型水害の防止、雨水の利水促進に対処するため、既存の民間家屋における雨水貯留・浸透施設や天水槽の設置奨励と補助制度の創設を行うとともに、学校校庭等すべての公共施設への雨水貯留・浸透施設の整備を推進すること。

【駅前広場、駅前通の改善】

駅前通りへの駅前広場と統一感のある樹木の植樹等、玄関口としてのイメージをどのように演出するか十分検討すること。

また、放置自転車対策をさらに改善すること。

【市内交通網の拡充】

駅前のバス停留所を拡充するとともにバス路線の拡充をバス会社に要望すること。また、区画整理用地の活用等による北口バス停の拡充を検討すること。

【交通安全の確保】

 児童・生徒の登下校時、さらには、歩行者の安全確保のため交通安全立哨指導員の増員、道路改良の促進とともに地域ボランティアの活用に関する研究を行うこと。

【児童・生徒増等に対応した学校施設整備の検討】

 児童・生徒数の増加、小学校の少人数クラスの動向を踏まえた、新設校の建設を含む小中学校施設整備の推進を行うこと。

【図書館、学校図書室の拡充】

市民の寄贈により蔵書の拡充を図るための体制を整備し、コストの縮減をはかること。

また、図書館を原則年中開館とし、増加する市民の読書ニーズに対応すること。

【学校教育における学級支援員の拡充】

特別支援学級設置校の拡大を県に要望するとともに、発達障害児等の学校生活を支援する学級支援員の拡充を推進すること。

【学校給食メニューの再構築】

自校式炊飯の米飯給食、和食給食の推進とともに、高コストの牛乳の回数を減らすなど、給食メニューの大幅な再構築を検討すること。

【保育園待機児への対応】

保育園待機児の解消のため、認定子ども園を含む新設園の建設を推進するとともに、民営保育園の誘致に務めること。また、保護者への補助などによる家庭児童保育室の活用をはかること。

【小児医療、産科医療の拡充】

小児救急医療の空白の解消に努めるとともに、市民が十分な産科医療を受けられるよう努めること。そのために、医師会のみならず国立病院機構埼玉病院との連携を深め、必要に応じて予算措置を講ずること。

【学童保育待機児への対応】

学童保育制度を堅持しつつ、施設の充実をはかること。また、登録制の一時保育制度の創設、低学年児の優先等の制度改善を図ること。

【障碍者の社会参加】

市役所等公的機関における障碍者雇用を推進すること。

【民間の福祉・教育事業への援助】

民間障害者グループホームへの援助を検討するとともに、不登校児のためのフリースクールなどの民間立ち上げに対する援助を検討すること。

インターナショナルスクール構想については市民に納得の得られる範囲で積極的に援助するとともに、状況の情報公開を積極的に行うこと。

以上