NPO法人に運営委託(指定管理)された米原公民館を訪問 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

NPO法人に運営委託(指定管理)された米原公民館を訪問

NPO法人に民間委託(正確には指定管理)された米原市の米原公民館 を訪問しました。
この公民館は公民館の指定管理の代表的なケースとして非常に有名です。
指定管理者は米原市内のNPO法人FIELD。
2006年、指定管理が決まった時の中日新聞を転載させていただきます。

「滋賀県米原市の20代を中心とするNPO法人が、4月から同市米原公民館の運営を担う。実現させたのは最近導入が進む公共施設の指定管理者制度。定年退職後の教員や臨時職貝が運営の中心で、利用者も高齢化している公民館のイメージが様変わりしそうだ。

 同法人は、浜川めぐみさん(21)を理事長とする「FIELD」。中高生時代に子ども会育成連合会のジュニアリーダーを務めた浜川さんらが2003年4月に任意団体のNPOとして設立。「子育ち支援」と銘打ち、子どもたちの「たまり場」づくりや、自分たちで企画することの面白さを感じてもらう「企画塾」などの取り組みを進めてきた。
 「活動を仕事にできれば」と感じていたメンバーらは昨年秋、頻繁に利用していた公民館の指定管理者公募を知り、「これはチャンス」と申請。12月市議会で承認され、法人格も取得した。
 構想では20代ばかりの正職員4人と、臨時職員2人で運営。カルチャーセンター化している公民館を「住民が地域の課題を見つけて解決する場所」(浜川さん)という原点に戻し、誰もが立ち寄って意見を言い合う「たまり場」にする。住民自身による企画の実現を支援していく。
 社会教育主事の資格や、デザイナーなどの経歴を持つメンバーの専門性も生かし、人件費を抑えながら充実したサービスを提供するという。
 浜川さんや副理事長の小林理恵さん(26)は「全国のモデルとなる公民蝕にしたい。自分のまちでもこれだけのことができる、という希望を持ってもらえたら」と意気込む。(中日新聞、滋賀版、06.1.21)」

おろしろそうでしょ?
さらにその後、この米原公民館は個性的かつ肩肘張らない運営で全国区の知名度を獲得していきます。
その後の彼ら評価を、FIELDの理事長(当時)高見さんを埼玉のNPO法人ハンズオン埼玉 が講演に招いたときの紹介文で見てみましょう。

「滋賀県北部にある米原市立米原公民館。
 20代の若者達7人が指定管理者としてこの公民館を運営しています。

 事務室の真ん中におかれた3枚の畳の上では、
 学校がえりの子どもたちが遊び、
 その傍らでは、おじさん・おばさんのお茶飲み話の花が咲く。
 その間を臨時職員犬ラッキーが走り回る。
 常にまちのいろんな人々が出入りし、
 スタッフは、ひたすら、子どもたちやお年寄りの声に耳を傾け、
 一緒に遊び、話し、お茶を飲む。
 その中で、新たな企画が生まれていく。

 キャッチコピーは『お客さん側から企画する場(field)の面白さへ』
 単なる貸し館=管理業務をはるかに超えて、
 さまざまな学びの場/人の出会いをつくりだしています。
 そして、まちの多くの大人が彼らを支えています・・・・(続く)」

実は、時々やっている無所属議員の集まりでの視察を企画したかったのですが、諸事情から挫折。
とりあえず、私個人で現場を見てきたというのが今回のいきさつです。

まず、公民館に入ると常連でもないのに「こんにちは!」という元気いい掛け声。
知らない人が入って行くと、館長とパート事務員からじと~っと粘り気のある視線と無言の圧力をかけられる多くの公民館とは異質な空間だということがわかります。
事務室には、写真入りの職員紹介が。ちょっと保育園チックでこれがまたあたたかいです。
残念ながら、あまりお客さんのいない時間帯でしたが、雰囲気は伝わります。

すこしうろうろして気付くのはあちこちの表示が基本的に手書きだということ。
この何とも言えない暖かさがいい感じです。
さらに、物々交換スペースなど、随所にちょっとした工夫が込められています。
役所の運営だといろいろうるさそうですが、ここは職員が自由に発想して即実行する場所らしい、そんな雰囲気を感じました。
民営ならではのスピード感ときめ細かさ、官僚臭の無さは、この公民館の大きな魅力につながっていると思います。

館内をいろいろ歩き回ってから、最後に二階中心に開催されていた平和展(地元密着の素晴らしい展示でした。「平和展と言えば広島の資料館が権威だからそこから資料を借りろ」と声高に言う某市議とは正反対の発想でしたね。ブランドよりも地域密着のほうが尊いです)を見て、飛び込みで市役所に立ち寄ってから帰路につきました。 (ちなみに、このやり取りのせいかぎりぎりで電車に乗り遅れましたw
)

ちなみに、隣にあった市役所では公民館の指定管理の資料はもらえませんでした。
合併でできた自治体米原市では、町役場の庁舎をそのまま生かし、部署ごとに別れて業務を行っているため、湖東分庁舎に行かないと資料がないとのことなのです。
私が「それって素晴らしいですね」と声をかけると、
意味が通じなかったらしく、「ご不便をおかけします」
「いや、だから、それって素晴らしいです」と節約精神の賞讃であることを強調してから駅に向かいました。
「変な議員」と思われたんでしょうかね。
ちなみに、電車の都合で湖東の分庁舎とやらには行けずじまい。
コストなどは別途調べます。

米原公民館入口

公民館入口。ここまでは何の変哲もない公民館・・・しかし・・・

米原公民館入口にあった公民館の案内

米原公民館スピリットを感じる入口のギャラリー。活動が紹介されている

米原公民館スタッフ紹介

写真入りの職員紹介。地元の保育園と同じ形式。親しめる雰囲気

NPO交流センター

NPO交流センター「たまるん」はオープンな雰囲気。ここもFIELDの運営

行事案内

行事案内ボードも超手作りでいい感じ

ポスターも手作り

ポスターも手作り。しかも「自宅に眠っているカサはありませんか?」。小さなことをこつこつと。