>後期高齢者医療制度、保険料7割下がった(?)報道について
「75歳以上が対象の後期高齢者医療制度(長寿医療制度。私の以前、雑誌記事などを書くときに平気で使っていたので反省。言葉への感受性は政治の世界の人間には必須のスキルですね)の対象者約1300万人のうち、新たに保険料徴収対象となったサラリーマンの扶養家族だった約200万人を除く約1100万人の7割ほどが、従来の老人保健制度からの移行に伴い、4月からの保険料が下がっていた・・・後期高齢者医療制度をめぐっては、これまで「新制度で保険料が上がった」との批判が多かったが、実態調査結果を見る限り、大多数の高齢者の保険料は下がっていた・・・1100万人のうち7割の人は保険料が下がっている。残る3割は上がっている。7割のうち、所得がどの程度の人が多いとかは分からない」と述べた・・・」(産経)
という報道。
後期高齢者医療制度の対象者は1300万人。200万人はこれまで被扶養者で保険料を負担していなかった人々なので「7割が下がったのというのは違うよな」、というのが素朴な感想。
数字は分かりやすいんだけど、誤魔化しやすいという典型。
別にこれも分母に入れた6割が下がった、でもいいのに・・・。それでも過半数ですよ。
で、先般からしつこく言ってますが、老健はそもそも制度的に破綻していて、今後の医療費増に耐えられないから新制度を考えたわけです。
で、そのネーミングとか人のくくり方が良くなかった。それは事実でしょう。
(後期高齢者って、その後は何期だよ、と思いますし、高齢者だけを囲い込むのは当事者にしたら気分が悪いに決まっています。)
ただ、じゃあ老健に戻せ、というのはどうなんでしょうね。
もちろん、一旦戻して、即刻次を考えるという選択肢はあります。
ただ、一ついえるのは、医療のスリム化は必至だし、負担増も必至だということ。
でないと、負担する世代の財布は破綻します。
皆さんでガマンして制度を改良しながら維持していかないと破綻するんですよ。(そうなると一時のロシアみたいに命がけです。)
今、何らかのガマンをする努力とは、次世代にツケを出来るだけ回さないためのガマン・努力です。
それと、「いや、土建行政の無駄遣いがあるじゃん」という意見もありますが、それはやはり、財政赤字の削減にも金は必要なわけで、今まで実力以上にカネを使ってきたツケは早めに払っておくというのが人の道だと思います。
もちろん、限界はありますけれど。
甘いことを言っている政党・政治家は詐欺師です。
皆である程度はガマンしながら、次世代に迷惑をかけない仕組みを構築することが求められています。
(ちなみに、私は増税論者ではありません。むしろ減税論者です。誤解なきよう。根本的に、経済が活発になることでしか、財政危機は救えません。)
追記:私は天引制度には疑問を持っています。これは税金も同じ。天引は楽なんですが、負担意識が麻痺します。何より、源泉徴収制度ってもともとナチスドイツが発明した仕組みなんですよね。