共著書『会計のルールはこの3つしかない』(洋泉社新書y)書評への御礼 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

共著書『会計のルールはこの3つしかない』(洋泉社新書y)書評への御礼

遅れましたが、共著書『会計のルールはこの3つしかない』(洋泉社新書y)についていろいろと書評をいただきました。

まとめで恐縮ですが、御礼申し上げます。


まず、アルファブロガーの小飼弾 さんからは、「4つ目以降に価値がある」として、コンパクトな中にエッセンスを漏れなく入れてあって、しかも、分かりやすい、という趣旨の書評をいただきました。

ただ、「3つしかない」が本の趣旨からはいただけない、ということと登場人物が「コロンブス、イザベラ女王、越後屋といった面々が繰り広げるコメディを通して会計を学ぶのだが、この人選がアカん。コロンブスといえば、私にとってはタバコと梅毒を世界中にばらまいた張本人だし、イザベラ女王といえば異端尋問の主犯。これでは感情移入できない」というお叱り。

確かに、これは事実なんですが、多少補足を。

この本は会計のルールが歴史的にどういう経緯で生まれていったのか、という視点で自然に財務会計を理解できる流れにしました。

その都合上、会計の歴史には欠かせない冒険商人という概念をどうしても入れたかったのです。また、資本家というある種のリスク・テイカーがリスクを取るための前提として、統一的で分かりやすい会計ルールの整備が不可欠、ということを説明するためにも究極のパトロンとしてのイザベラの登場を必要としました。

また、日本の古来の会計は実は和算と同様、埋もれてしまっていて、なかなか一般の目には触れず、大福帳という単語は役所の単式簿記に代表される不合理会計の代名詞になってしまっているのですが、正直、複式簿記以前の日本の商人の会計のことはあまりよく分かっていません。ただ、会計が商人の秘伝の一つであったこと、そして、利益計算の仕組みがなかったら、江戸時代の商人たちのような大店が経営できたとは思えないことから、イザベラとコロンブスの家庭教師役として「越後屋」を登場させました。

そんなところでいかがかと。


次に、北村恵税理士

「さっそく私も読ませていただきましたが、会話形式でとても読みやすい本でした。
登場人物もユニークで、とても内容が頭に入りやすい本だと思います」

と好意的にご紹介いただきました。


次に、地元埼玉四区の早川忠孝代議士

「いい本を読んだ」という書き出しから始まる、好意的かつ私たちの意図を汲み取った書評です。

「財務諸表が読めないから、官僚の言うがままに予算を支出してきたが、いよいよ国も地方自治体も債務超過で二進も三進も行かない時代になってきた。

財政の再建を進めるためには、まず国の会計、国の実態を良く知る必要がある。

国や役所の会計は誰のためか。

当然、国民(=納税者)のためである。

公の会計には税金を自動的に取られている国民や住民が政府や役所の現状を知り、政府の経営者にだまされないため、という役割がある。

現実がそうなっているかは別にして、そもそもの趣旨はそうである」

とエッセンスを抜き出していただいていますが、まさに私たちが行政関係者に強調したかったポイントがここなんです。しっかり受け取っていただいたことに感謝。

早川代議士は法曹でしかも元自治官僚。法律や地方自治に見識の深い、しかも人権意識とそれにかかるバランス感覚の優れた代議士です(もちろん、私と意見が異なることはしばしばですが・・・)。

しかし、実はこの種のキャリアをお持ちの方は皆さん、法学から経済学には通暁していても会計はすっぽりとエアポケットになっているケースが多いようです(あるいは、この程度のことは当の昔に知っていて、謙遜しておられるのかもしれませんが・・・)。

さて、会計は技術的な細かいところ除くと比較的単純なパズルであり、しかも趣旨さえ分かればやるべきことが想像できる優れたシステムです。

これを機に、一人でも多くの議員・行政マンに会計の本質に興味を持っていただきたいな、とあらためて思いました。


次に、江別市議会議員の林かづきさん 。blogでご紹介いただきました。林議員とは全くの同学年です。北大の大学院で公共政策を専攻された理論派で、私の前著もご覧いただき、いろいろとアドバイスをいただきました。


次に、こちらはブログですが「精神科医が読み解く、ビジネス・投資・自己成長のヒントになる本 」というところでご紹介いただきました。

「重要な概念がピックアップされているので、どのような概念が重要であるかという全体のロードマップを眺めることができます」というところが嬉しいですね。一覧性をある程度意識して図を作りましたから。


「さおだけ」の山田真哉 会計士と同じグループの木村聡子税理士 にもご紹介いただきました。

3つのルールのうち2つが、財務諸表論用語のままなのが残念」

など「惜しい」という評価。

うーん、そこを砕く勇気がちょっとなかったというところですね。正直。

私が延々会計書編集者として仕事をしてきたのが障害になったのかもしれないです(笑。

あと、保守主義については項目を大きく立てずに、何回もチクチク出てくる仕組みにしました。なので、もしかしたら初心者は「えっ?あった?」となるかもしれない、というご指摘なんだと思いますが、読み終えれば自然に保守主義が体感できていると私は思っています!

あと、タイトルや帯は編集部にお任せしましたので、やや挑発的なんですが、これはベストセラーを連発している編集者Yさんと社長の意見を取り入れてのことですのでご容赦を・・・。


羽生市議の中島なおき氏 には恥ずかしながら写真つきでご紹介いただきました。こういう用途の写真と思っていなかっただけに・・・。

中島氏は福祉のエキスパートであるだけでなく、財政や保育行政などにも最近は強みを見せている県北の若手市議のホープです。若手政治家養成塾の出身で今も同じ勉強会の仲間です。

ちなみに、彼のサイトはこれから市議を目指す若者の参考になりますので、ぜひご参照ください。


blog「早起き起業 」さんには「会計の目的や考え方、それがどうやって仕分けられて、B/S、P/L、C/Fに展開していくのかの流れが面白いほどよく分かった」という感想をupしていただきました。

うれしいのは、「クドカンの演劇を彷彿させるような構成」という一文。ネタ的な方面のアイディアは基本的に私が出しているのでこれは何だかくすぐられます。

ありがとうございました。


今のところ、以上のように把握していますが、今後とも様々なところで取り上げていただけますと非常に嬉しいです。


ちなみに、前著の時と比較すると私の各方面へのプッシュが弱いのは、正直、私のキャリアがこの本を売るためにはあまりプラスにならないのではないか、と思っているからです。

私は会計書編集者としての経験はあっても会計実務家ではなく、しかも今はライター兼編集者兼市議会議員。正直、「なんじゃこりゃ」と思われる可能性があるので、共著者に前面に出てもらっています。

決して「やる気がないから」ではありませんので。


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会計のルールはこの3つしかない (新書y 191)