市民と議員の条例づくり交流会議「予算改革を始めよう」2~松本の発表レジュメ | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

市民と議員の条例づくり交流会議「予算改革を始めよう」2~松本の発表レジュメ

去る3月29日の「議員と市民の条例づくり会議」のプレ企画「予算改革を始めよう」で私が発表した際のレジュメを示します。

当日、時間がおしていた関係で、レジュメを見れば分かる部分はほとんど割愛して発表しました。

なので、「短かすぎ。もう少し話して欲しかった」という感想をいくつかいただきました。

ただ、本質は下記に集約されていると思います。

和光市の予算改革は昨年(つまり今年度の予算編成)から、小さいけれど意義ある第一歩を踏み出したといえます。



「◎はじめに


自治体の予算編成、審議は税を預る組織として最も根本的な作業である。しかし、一方で、従来の予算編成過程はブラックボックスだった。また、予算の審議前には議会(の多数派)と首長の調整が終わっており、これを背景に口利きや利益誘導がまかり通ってきたとされている。


 昨今、予算編成過程の公表をする自治体が増加している。背景には分権化で地方独自の意思決定をする場面が増え、自治体に説明責任の貫徹が求められ始めている現状がある。


 そもそも私企業と比較して、税を強制的に徴収する政府組織にはより強い説明責任貫徹の必要性が見て取れられる。


予算編成過程の公表は、説明責任の貫徹のための欠かすことができないツールとなった。



◎和光市の予算編成過程について


1.従来は事前公表なし。1月末の全員協議会でほぼフィックスされた予算の概要を説明し、あとは告示1週間前に予算書が出てくるしくみだった


2.2008年度の予算編成より、事前公表を導入


①2006年度から、予算と総合振興計画をリンクさせることを模索。現時点ではすでに総合振興計画に載らずに予算化される事業はない


②2007年9月、予算と総合振興計画がほぼ完全にリンクされたため、第三次和光市総合振興計画基本計画(後期)実施計画案を公表(これが実質的な予算編成途中の状況の公表に相当)。同月17~25日、パブリックコメントを募集。応募1件、議会からの意見1件。


③2007年11月25日、パブリックコメントを踏まえて、第三次和光市総合振興計画基本計画(後期)実施計画案を公表。同時に、全員協議会で説明。この時点で、最終的な予算より金額が1割強多かった。


④2008年1月24日、全員協議会で平成20年度予算一覧表を配布、予算の概要を説明。この時点の予算素案から予算案での変化は1項目2億円のみ。





◎鳥取県庁の予算編成過程の透明化


1.鳥取県庁が予算編成過程の透明化を行ったのは片山前知事の発案による。片山氏は行政のノーマライゼーションを掲げて当選、中でもノーマライゼーションが必要なのは行政の根幹である予算だと考えた。


2.当時の鳥取県の予算編成はいきなり結論が出るスタイルで、編成過程が見えなかった。また、不透明だから不正や腐敗が生まれていた。これを透明化すると、説明責任が貫徹されざるを得なくなる。逆に理屈の通らないことをやろうとするから隠す、という現状があった。


3.県の予算は膨大であり、どのような形で公表するかがポイントだった。紙ベースでは途中の公表は困難なので、3段階の予算編成(財政課長査定、総務部長査定、知事査定)をデジタル化し、そのまま公表した(デジタル要求、デジタル査定)。結果的にこれはペーパレス化にもつながった。


4.透明化することで当然、文句がたくさん出てきた。これに対応するためにも査定者の見識が問われ、結果的に変な予算要望が減った(片山県政下、予算総額は8割程度に)。


また、民間の知恵を出してもらえるようになった。これは県民と県庁の知識に共有化につながった(EX リース機器)。」


<参考>とりネット

http://www.pref.tottori.lg.jp/dd.aspx?menuid=27182


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