四市(朝霞、志木、和光、新座)合併と特例債
5年前、朝霞地区四市(朝霞、志木、和光、新座)の合併という話があり、私は反対派として活動しました。
当時、とにかく合併ありきで話が進み、何よりも私が危惧したのは「合併特例債を700億円借りて使いまくろう」という与太話が真剣に四市で語られたことです。
私は合併自体についても四市で40万人近くなるという規模の問題もあり、批判的でしたが、最大のガンは合併特例債を借りるという行為にあると思い、そのように主張しました。
当時、合併を推進した人々は、700億円借りても交付税で措置される(面倒を見てもらえる)と主張し、「使わなければ損」という幼稚園児以下の論理を展開しました。
つまり、国からふんだくれるから使わないと損をするというのです。
多くの自治体が合併特例債を借りまくり、各地の土建屋は「最後っ屁」の公共事業に酔いました。
実際には、その後、国が不交付団体を増やす、という手に出て、「借りた分を十分に面倒見てもらえない」という事態が続発しています。
朝霞地区四市はどうかというと、全く同じ事態になったであろうことが断言できます。
数字で立証しましょう。
財政力指数が1以上だと特例債の交付税措置はなく、借り手も自腹で返済することになります。
平成13年度の財政力指数
朝霞 0.89
志木 0.78
和光 1.03
新座 0.82
よって、合併しても財政力指数は0.8台になり、特例債は交付税で面倒を見てもらえることになります。それが、合併推進者の主張でした。
また、合併推進者には市内の業者とその二代目が多く、一部には特例債で一儲けしようという姿勢がありました。
それでは現在はどうか。
平成18年度の財政力指数
朝霞 1.13
志木 0.93
和光 1.25
新座 0.95
つまり、四市では財政力指数は1程度になることが容易に想像できます。(財政力指数は総務省が基準となるパラメータを好きに変えられるため、恣意的に動かされており、全国的に上昇しつつあります。)
要するに、特例債を借りて業者の言うなりに無駄遣いをしていたら、丸損だったことが分かります。
この点だけ見ても、あの合併は問題があったということが明らかに立証されます。
もちろん、今後、行政の効率化の視点から合併を市民主体で考えることには反対しません。ただ、目の前のニンジンに噛み付いていたら、とんでもないことになったことは確実です。
ちなみに、月刊誌『エルネオス』の昨年8月号でも指摘したのですが、政府は都道府県に指示して協力に合併推進をし、交付税等をさらに削減しようという方向性を打ち出しています。
なので、和光市も今のままずっとやって行ける、という確証はありません。
首長や議員には、今後の枠組みをある程度考えておく、というのも大切な仕事になろうかと思います。
引き続き、近隣市の財政にも大きな関心を払っていこうと思っています。