「コラボ和光」シンポジウム『和光の遊び場の今、これから』
「コラボ和光」は和光を暮らしやすい、子育てしやすいまちにするために市民団体が集結した、コラボレーション組織です。
集まっているのは
・(特)わこう子育てネットワーク
・(特)こども・みらい・わこう
・和光世代間交流会
・和光市古民家愛好会
・(特)和光まちづくりNPOセンター
です。
これまで、「家族で農体験」「シンポジウム 冒険遊び場って何?」「世田谷羽根木プレイパーク視察ツアー」などを行ってきました。
私は残念ながらこれらのイベントには参加できず、今回が初参加でした。
さて、今日のシンポジウムの内容です。
まず、わこう子育てネットワーク代表の森田さんから前振り。
「子育てのまちという和光市のイメージとは裏腹に、子育てにやさしいとは言えない→子育てしやすいまちにしよう、というのがこの集まりの趣旨です。
たとえば家族で農体験という催しでは、9月初旬から12月にかけて古民家サポーターの皆さんとともに大根を育てる中で、赤ちゃんからお年寄りまでが知り合いになりました。育ったのは大根や子どもだけではなく、顔の見える地域のつながり、和光が身近になってきたという実感でした。
また、羽根木の視察では、バスの中からいろいろと遊び場について考えたり、現地を見る中で、遊び場についてじっくりと考えました」
次にこども・みらい・わこうの待鳥さんから、世代間交流会と防犯ネットの活動を基にした話。
「世代間交流会で市内の公園をほとんど回って調査しました。子ども達が遊ぶにあたり、どこにリスクがあるのかというと、いかにも、というような場所ではないといことを感じました。見通しがよいところでも危ないことは発生します。
人々か感心を持たない公園では、見通しがよくても事件が発生します。昔から人々に親しまれ、地域の人から利用されている公園での事件はあまりないようです。
また、自分が子育てをしていた頃とでは子どもの遊び方、遊ばせ方が変わってきています。
以前は公園デビューなんてことばがあり、公園遊びが多かったのですが、今はほとんど人がいない公園が多いですね。お年寄りの散歩も少ないです。
母子は一部の公園に集中していて、絶対数はやはり、少ないです。
小学生が巻き込まれる事件が多くて、低学年の子どもをひとりでは外に出さない保護者が多いのも公園が使われない要因です。
そして、公園での遊びは、土日に保護者がついての遊びが多いです。
人が集まる公園というものが求められいると思います。
また、防災の観点からは公園を樹木が囲むというのが火災時向けの対策として望ましいのですが、防犯上はまずいなど、利害の対立のようなものがあります。
共有施設として使いこなすための方策が必要だと思います。
そして、子どもは小さなリスクをたくさん経験して、ハザードへの対応能力を磨いていきくということも大切です。
また、すべてのリスク対応を子どもに負わせようという風潮がありますが、大人の助けは必要です。」
次に、古民家愛好会の井上さんからの報告。
「新倉にある古民家園では、7日の七草粥から始まって、いろいろな行事を行う中で憩いの場として、遊びの場として、あるいは教育の場として機能しています。
たとえば、敷居も知らない子ども達になぜ敷居を踏んではならないのか、といったことを教えたり、季節の行事を通して季節感を共有したり・・・。
古民家では唯一の暖房が囲炉裏で、そこに立派な自在カギがあります。
これは元市民が寄付してくださったものです。先日、たまたまある小学生が来られて、おじいゃんの雰囲気がする、と小さく叫んだんですが、その子はなんと本当にお孫さんでした。
こんな面白いエピソードもたくさん生まれています。
また、古民家には小学生をはじめとする多くの児童生徒が来るのですが、古民家から遠い学校には、出張して縄綯いの指導をしたり、昔遊びを教えたりしています。」
次は(特)和光緑と湧水の会の高橋さん。
「以前、市に働きかけ、自然保護協会と3者協働で3年かけて市内の湧水調査をやりました。それまで、諏訪原団地にいて市内のことはあまり分からなかったのですが、調査が進むにつれ、市内のことが分かり、市にいろいろと提案るするようにもなりました。
また、多くの人に和光市の自然を知って親しんでもらいたいということで、3年前には児童センターの冒険遊び場事業にも会として参加しました。
和光市は都市近郊にありつつも、都内とは異なり、緑が多いまちです。
武蔵野台地の末端にあり、山に囲まれていないのに湧き水に恵まれています。
そして、湧水の周囲には急斜面があり、斜面は植物が守っています。
こういうまちの特徴をもっと多くの人に知ってほしいですね。
そして、斜面林の周囲は住宅密集地というのも都市近郊にある和光市の宿命です。
近隣から、枯葉が迷惑だから枝を払って欲しい、などという声があるようですが、落ち葉や枯れ木は単なるゴミではありません。もっと大きな気持ちで見守っていただきたいもです。
会では昆虫さがしや森遊びの事業を年二回行っていますが、父母も子どもたち以上に楽しんでいます。」
最後はわこう子育てネットワークの猪瀬さん。
「1歳の男の子を育てる母親です。子どもを持つ前と後で遊び場への考えが随分変わりました。
以前、創造と森の声、というイベントをやっていした。森の中で子どもに絵を書いてもらう、というものですが、そこで子どもと大人をつなぐプレリーダーという役割を担っていました。
子どもがいて、斜面があると、遊びが始まります。そして、いつの間にか自分も夢中になっている、ということが常でした。
その後、結婚して和光に引っ越してきて、子どもを生んで、当初はあまり外に出ませんでした。そして、子どもの首がすわってからは児童センターなどに行くようになりました。和光市ではそういう施設が整っていて、当初はそれで満足していました。でも、子どもが大きくなり、室内遊びでは満足できなくなると、公園に出かけました。
せせらぎ公園など、とにかく遊具があり、せせらぎもあるので子どもも楽しく遊んでいました。
ただ、毎日だと行き尽くしてきて、どうもパターン化してきます。
そこで、光が丘の冒険遊び場に行くようになりました。
独身の時には気付かなかった土、水、木があることの魅力や、土を踏みしめる感触を強く感じるようになりました。
水があると子どもの服が汚れるのですが、泥んこになって遊ぶ子どもといると親も和みます。
また、冒険遊び場は親も準備など大変なのですが、食べたり飲んだり、結構楽しいというのもあります。
和光で冒険遊び場を、となるとどこなのか、丘があり、広場があり、水があるところがいいですね。あと、ある程度整備されている場所だと安全です。
これから、いろいろ考えたいですね。」
その後出席者からの意見などがあり、シンポジウムは次への含みを残して終了。
次の展開が楽しみです。
私自身、子どもを公園などに連れていたりもしたのですが、やはり、十分に楽しめず、一方でビオトープのイベントで魚や昆虫を追いまわして我が子の楽しそうな表情を見て、「こっちの方がいいな」と思ったりもしたことがあります。
子どもが本当に楽しくて成長できる遊びの環境を作れればいいな、自分は何が出来るかな、などといろいろと考えさせられました。
子どもの頃感じた冒険心というか、ワクワクを今の子ども達に経験させたい、と強く思います。」