共産党ビラ事件の逮捕支持判決は対岸の火事ではない
マンションのドアポストにビラを配ることが住居侵入罪かが争われた裁判で、東京高裁は逆転有罪判決を出しました。
ビラ配りを禁止する意思表示を明確にしていたかから、というもの。
マンションの玄関ホールに「チラシ・パンフレット等広告の投函(とうかん)は固く禁じます」「当マンションの敷地内に立ち入り、パンフレットの投函、物品販売などを行うことは厳禁です」という張り紙があったそうです。
この事件を見て、「共産党だから逮捕されて当然」とか、「ビラはうざい」「ゴミだから要らない」という反応をする方がたくさんいるのですが、本質をしっかりと考えていただきたいと思います。
明日は我が身です。
今回は、ドアポストまで行ったことも大きいと思いますが、この判決をベースに集合ポストへのビラ配りをも逮捕の対象にることは容易です。
また、共産党員でなくても、地域の権力者の意思決定に反対する人を同様に逮捕の対象にするということがないわけではありません。
こういうことで簡単に逮捕されるなら、皆さんが本当に困っていてビラで少しでも多くの人に思いを伝えたい、というときに、逮捕のリスクを背負うことになります。
人は普段、政治を意識することはあまりありません。困ったときに初めて、政治を意識します。そのとき既に手足をもがれているとしたら、こんな不幸なことはありません。
私は政治活動の主要な意思伝達・表示メディアとしてビラを多用しています。地域にコネがない(逆にしがらみもない)私にとり、ビラは生命線です。また、地域で大きな権力を持つ人々を批判するビラを配るときもしばしばあります。
そんななか、このような判決に一人でも多くの方の関心が向けられるといいな、と思います。
他人の自由を尊重しなければ、自由を得ることは出来ません。
最後に、私の定番の言葉の引用をさせていただきます。
ニーメラー牧師(ナチと戦ったルター派の牧師)の言葉です。
「はじめにやつらは共産主義者に襲いかかったが、私は共産主義者ではなかったから声をあげなかった。
つぎにやつらは社会主義者と労働組合
つぎにやつらはユダヤ人に襲いかかったが、私はユダヤ人
そして、やつらが私に襲いかかったとき、私のために声をあげてくれる人はもう誰もいなかった」
放置すると、あなたの周りには誰もいなくなります。
ちなみに、私はオートロックの中に入っての活動はしません。