財政比較分析表を活用した、3分でわかる自治体財政分析!
ひさびさにネコでもわかるシリーズです!
財政比較分析表の見方を、という要望が時々あるのでさらっと書いておきます。
まず、秋田県大館市の分析表を開いてください。
7つの指標のバランスが良いことが分かります。分析表は外に出っ張っているところが偏差値50を上回っているところです。50程度でまとまっています。
実際には指標にもいろいろあり、7指標には自治体が責任を取れない「財政力指数」なんてものも入っていますが、とにかくこれが比較的バランスの取れた、可もなく不可もないつまり普通の町です。
首長や職員のバランス感覚がいいのかもしれません。
次に秋田県大仙市を見ましょう。
これは、典型的な1つの僻地モデルといえるパターンです。秋田モデルと呼んでもいいでしょう。秋田の市は多くがこのパターンです。
他のすべての指標が×なのですが、給与だけは頑張って削っているのです。公務員給与は減らせても人数を減らせない何かの力学があり、一方で借金は減らないし、しかも、借金を今期減らそうと頑張った形跡もない・・・。
今後は公務員給与削減以外の分野を特に頑張らないと、バランスが良くならないと思います。まあ、市民と経営者の考え方次第なのですが・・・。
次に、兵庫県小野市です。
ここの分析表には経営者のポリシーが見えます。実は典型的な類型のひとつでもあります。
給料が高く、定員は少ない。つまり、少数精鋭を目指しているのです。そして、人件費+物件費、つまり、人の経費と委託(つまり外注)費も抑制されています。しかも、将来の負担は少なめ。借金返済の重みでは、公立病院が足を引っ張っています。
ただ、病院を持ちつつのこの状況なら十二分に合格でしょう。
ここの経営者は優秀だと思います。
最後に私の地元の和光市。
分析表だけで見ると、人件費+物件費、そして給与水準の指標が悪い(つまり高い)のが一目で分かります。実際に、給与は近隣市では高い部類であり、さらに、定数を減らした分、委託率が高く、物件費が上がるのは方向性としては当然そうでしょう。
ただ、市もコメントしているように物件費の精査は今後のテーマです。(他の指標が良いのは、ホンダなどがあるという特殊事情によるところがかなりあります。もちろん、過去に民間委託の先駆者的な優れた職員がいて、その結果公務員が少なくなっている、という要素もあります。)
分析表はこんな感じで使います。
あなたの町の分析結果もお知らせください。
なお、今回は極端な例を見ていただくため、類似団体、つまり似ている自治体を比較すべきである、というセオリーからあえて外れた形で作りました。本来、類似団体の中で地理的、あるいはその他の条件が似ている自治体と比較すべきであること、そして、17年度分までしか発表されていないことには注意か必要です。