横浜市視察~中田市長との会見 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

横浜市視察~中田市長との会見

久々に横浜市の中田市長を囲む企画にお誘いいただいたので、参加してきました。

埼玉県議会議員の吉田よしのりさんらの設営です。


中田市長のお話を少人数でうかがうのは2年ぶりなのですが、久々にお目にかかっての感想は、数字としてあらわれつつある成果への自信に溢れた姿でした。

話のなかから話をかいつまんでご紹介します。

「横浜市の水道改革について、私が市長になったときには80億の累損があったが、今は累積の黒字が150億になった。

まず、水道の需要増は見込めない。人口が減り、節水の徹底で一戸当たりの水需要も減る。

となると、経営改革をして、内側のコストを低減するしかない

今まで①3人でやっていたことは2人でやるというような工夫、そして、②営業所の統廃合(18ヶ所を9ヶ所へ)、③夜間料金収受の廃止(3.4億のコストをかけて3億の料金を収納していた)などを行い、徹底的な支出削減を行った。

②については市民向けに誤解を招くビラを撒かれて困った。つまり、統廃合で水道の事故への対応が遅れ、市民サービスが低下するというもの。そんなわけはない。(この種の妨害はいろいろな場面であった。『東京噂のチャンネル』)でもある改革が叩かれたが徹底的に抗議して撤回させた。

ここで生み出された財政的な余裕により、水道のメンテができ、水道の運営が持続可能になる。

交通局も改革した。

人口減と高齢化による移動人口減で営業収益は必ず下がる。よって水道と同じように支出を削減した。

今後、経済はいざなぎ景気のようには成長しない。そういう中で、どのみち改革(改革とはさまざまな経営改善の集合体だ)はせざるを得ない。

夕張も横浜も改革の必要性に本質的な差はない

ただ、夕張は財政が破綻したから、政策の選択権が地元にない。問答無用だ。横浜は財政が破綻していないから、政策は自分たちで選択できる(うーん、まさに私の本と同じ主張・・・)。差はそれだけ。

また、敬老パスを一律無料から、所得階層による段階制(タダ、2500円、5000円、10000円)に変えた。そもそも敬老パスに83億円かかっていたのだから。

若い市長になると年寄りに冷たいというご批判もあったが、それを鵜呑みにしていると第二の夕張になる。

行政の持続可能性を守らなければならない。

私は横浜市長を3期で辞めるが、その間に成果を出して辞めたい。そこで成果を出せないと、その後の人生は生き恥をさらすことになる。(別に、評価をしてもらおうとしてやっているわけではないが、責任とはそういうものだ。)

これからの時代、新しい行政需要について、新しい課を作って対応するというのは無理。

となると、必要なのはコラボレーション。失敗してもいいから、全部実験という考えでチャレンジしている。

税は潤沢ではない。

全てを役所が直営でやるというのは無理だ。」

正直、この人と会うと、元気になります。やるべきことはすべてやる、という強い意思とともに、スピーディなテンポに圧倒されます。

前回、私は39歳の中田市長に圧倒されました。

今日、あらためて、やらねば、という強いエネルギーをもらった気がします。

ため息をつくのではなく、腰の重い和光市の行政に鞭をふるい続ける他に選択肢はない、というのが私の決意です。また、当たり前の思考回路の大切さ、つまり、私の「無い袖は触れない」理論の大切さを再認識させられました。無い袖を振り続けると、いずれ財政破綻で市民は塗炭の苦しみを味わうのです。余裕のある財政を市民サービスに振り向けろ、という主張は市民を欺く主張です。


和光市の行政の持続可能性も、今後の改革にかかっています。

しかし、我田引水ではないですが、私の本、『自治体連続破綻の時代』の主張は中田市長の話からも裏付けられました(笑

詳しくは水道会計のページをご覧ください。