普通会計~ハムスターでもわかる自治体財政用語シリーズ
自治体について考えるための用語の一番基本的なものを忘れていました。
それは普通会計です。
自治体には一般会計、特別会計、企業会計という会計区分のほかに普通会計という考え方があります。
普通会計による決算というものは実は存在しません。
会計は一般会計や特別会計という区分で行われ、普通会計によって決算を行うことはありません。
では普通会計は何なのかというと、ずばり言えば、一種のモデルです。
モデルというものは自然科学では基本の考え方ですね。
前提条件を設定する(水100mlに食塩10gを入れた、など)ことで、実験を行うための条件が一定にそろえられます。
そこから何回実験しても同じ結論が導かれることを帰納(つまり、「AならばB」をたくさん繰り返す方法)的に立証するのが典型的な自然科学の手法です。
そして、普通会計では自治体の、ある程度科学的な比較をするために、標準的な自治体の持っている事業の定義を定め、それに従うような前提で自治体の決算を行った場合に算出される数値が示されます。
たとえば、総務省が普通会計の市役所には市民課と議会しかない、と決めれた場合、全国の自治体が自分のところを市民課と議会だけからなると仮定して普通会計の決算にかかる数字が決められます。
ということで、自治体の比較ができるように、あらかじめ普通会計に入る事業項目は定められています
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