立木信『地価最終暴落』(光文社)~あなたは「パリーグな人」? | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

立木信『地価最終暴落』(光文社)~あなたは「パリーグな人」?

「日本の地価はインチキだ。

本来、価格とは需要が決めるものだ。

だが、地価公示制度等により何通りもの、しかし、作られたインチキ価格が公表されている。

減税などを餌に土地やマンションを買わされているが、すでに日本では住宅が余りまくっている。

買ったあなたは騙されているのだ。

夢のマイホームは買った瞬間から未来拘束装置になる。

そして、あなたは拘束された瞬間から負け組み決定。


需要がなくなれば土地も建物も価値はゼロだ。

特に、今後地価が暴落するのは「パリーグ」沿線だ。

それでもあなたは家を買うのか?

・・・・・」

日本のクズ土地資本主義のからくりを暴露するのがこの本です。

私が頭の中でいろいろと考えながら、不思議に思っていたこと、つまり、土地も建物も余っているし、今後は絶対にもっと余るのになぜ暴落しないのか、ということの真相が本書ではぶちまけられています。

この国の仕組みの根底にあるのはいつも詐欺(例 万年野党や吼えるだけの市民派議員も詐欺、御用組合も詐欺、金融機関の低金利も詐欺、サラ金も詐欺・・・・)なのですが、本書はそれを土地という側面から鮮やかに暴露しています。(まあ、いつも騙される人がいるから詐欺というものが成立すのですが。)

また、世代会計の観点から、いかに後世代にツケが回されつつあるか、ということを厳しく指摘しています。

世代会計について多少たりとも勉強すると、いかに日本がひどい国なのかが明らかになるのですが(それについてはまた後日触れます)本書でもその観点からの指摘があり、「わが意を得たり」の気分でした。


本書と石渡正佳氏の『スクラップエコノミー』は現代版『1940年体制』(野口悠紀夫)とでもいうような位置づけの好著です。この2冊とともにお読みください。

騙される人がある割合未満になったら、突然世の中が好転しはしないか、とときどき妄想しています。


追記:「なにわのおっさん」さまにご心配いただいたガラの悪い表現ですが、ほぼすべて本文の表現です。詐欺を詐欺と言い切り、こんな財政運営なら猿でもできる、と言い切る著者の正直さ、潔さがまた、この本の魅力を増幅しています。私はあそこまで言いません(笑