千葉大学中村攻教授の講演会@和光市防犯リーダー講習会1(前段のお話) | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

千葉大学中村攻教授の講演会@和光市防犯リーダー講習会1(前段のお話)

和光市では防犯リーダー育成の講習会を行っています。7月から規定の講座を受けていただき、一定の受講をされた方を防犯リーダとして地域の防犯の中核になっていただこうというものです。

防犯予算をしっかりと市として持つことを選挙で公約した私としては、せっかく実現したことであり、講座の内容も確認しておきたかったのですが、中村先生の講座を久々に聞ける機会だということを教えていただいたので、昨日の講座の傍聴に行ってきました。

中村先生の講義は以前聞いたことがあったので既に過去に記事にしていますが 、随分内容が実践的かつ濃厚なものに変わっていましたので、数回に分けてご紹介します。


埼玉とその他の関東各県では、結果的に見るとまちづくりの方向性が大きく違った

埼玉は開発を抑制し、大規模ニュータウンの開発が少なかった。

しかし、その他の各県では大規模ニュータウンをつくり、それによってスプロール化を防ごうとした。

結果的にどちらの手法もうまく行かず、埼玉ではミニ開発が進み、その他の地域では、巨大なニュータウンとその周辺のミニ開発という組み合わせになった。また、巨大なニュータウンは急速に高齢化し、さまざまな問題が生じている。

埼玉以外では、大規模ニュータウン+鉄道という開発が多く、都市インフラが整備されたが、埼玉ではミニ開発ゆえに鉄道などの都市インフラが整備されなかった。結果として人はバスで既存の鉄道駅に行き、そこから都心に向かって通勤する構造になった。

よって、埼玉の鉄道は混雑度が特に激しく、結果として痴漢が多い。」


子どもたちを取り巻く環境についての国民の意識を総務省が調査した。

その結果4人に3人は子どもを取り巻く環境が悪くなっていると答えた。

では本当に危なくなっているのか。

いま、刑法犯の事件は260万件(認知件数)。10万人あたりで2000から2100件というのが犯罪の発生率。

昭和で一番発生していたときは戦後のどさくさの時代で、2000件程度だった。

その後、昭和40年代に約1000件となり、このときが底。

その後は増加して来た。現在は未曾有の水準といえ、我々が経験したことのない状況。

(また、検挙率が低下している。戦後のどさくさ時でも5割あった検挙率はいま、2割。

犯罪をしてもあまりつかまらない。)

ちなみに、欧米先進国の状況と比較すると、欧米では現在の国内の犯罪発生率の3~4倍

世の中や人の心、ライフスタイルの欧米化がいろいろな面で進んでいることなどを考えると欧米並みになる可能性がある。

(アメリカでは年間5~6万人程度が誘拐され、100人は殺されている。)

犯罪がたくさん起きる社会の背景には日常生活、社会、政治、経済などがある。

このまま欧米的なものを取り入れ続けていいのか。

ただし、あわてて欧米の行っている対策を何も考えずにそのまま取り入れる必要はない。

あわてず、地域が足元の防犯に取組むこと。

科学的に状況を分析し、対応を検討すること(日本人は何かにつけここが弱い)。」