春、役所にはお金がない!~(付録:継続費と繰越名許費とは)
3月議会明けでやることが山積。
コメントへのお返事も皆様のサイトへの訪問も完全に滞っています。
すみません。しばらくお待ちを!
さて、今日は仕事山積の中、当たり前のようだけれど世間では意外に知られていない話を。
役所の懐が一番さびしい時期というと実は4月上旬なのです。
税金も国保料も、一期目の納税期限が来ないとお金は入りません。また、地方自治体が頼り切っているいろいろな補助金も年度の途中で入ってきます。
ということで、春4月は役所の米びつが空っぽの時期なんです。
今は会計もIT化で資金繰りも合理的ですが、少し前の市役所の会計課の手腕が一番発揮されたのが、春の時期の資金繰り。金の出入りをしっかりと見極めて、綱渡りの資金繰りをしたようです。
春、役所のいろいろな事業が少ない理由のひとつがこれ。
春の公共事業はたいてい、継続費や繰越明許費*の関係が多く、新規事業は夏以降になるのですが、こういうところにも原因があるのです。そして、お金がある程度たまった冬以降は・・・・・(ヒ・ミ・ツ)。
一年中売り上げが立つ多くの民間企業と違って、市民の税金が頼りの役所ならではとは思いませんか!?
*継続費(けいぞくひ):役所の会計は単年度主義(4月から3月で一区切り)なのですが、執行に2年から数年かかる事業については予算であらかじめその旨といくらをいつ使うかを定めておくことで、数年度にわたって支出することができます。これが継続費です。
複式簿記の期間損益計算では、期間ごとの配分が当たり前のように行われるので、この仕組みには面食らいました。(なお、「複式簿記に基づく企業会計の論点のほとんどすべてが期間損益計算に起因する見積もりに関係する」ことからも、役所の会計の単純さがお分かりいただけると思います。これについてはまた後日。)
*繰越明許費(くりこしめいきょひ):前年度の予算が成立した後に発生した理由(工事の遅延など)に基づいて、年度内に事業に関する支出が終らない見込みのとき、議会が議決を行うことで翌年度に繰り越して経費を使うことができます。これが繰越名許費です。
(年度末に必死で事業を終わらせる理由がお分かりいただけましたか?)
なお、両者の違いは、あらかじめ年度をまたぐと分かっているかどうかにあります。
ちなみに、トップ3行はいずれ消しますのでご了承を。