なぜか話題にならなかった市議会議長会の「地方議員制度堅持」の通達 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

なぜか話題にならなかった市議会議長会の「地方議員制度堅持」の通達

①ある日届いた議長会からの書面

昨年末、市議会議長会から、地方議員年金の堅持を推進しよう、という趣旨の書類が各市議会事務局を通じて各市議会議員に配布されました。

いわく、地方議員年金は金額が少なく生活保障的なものであるから、国会議員の年金とは議論を切り離して考えて欲しいという趣旨のものです。実際にこの書面をそのままに近い形で意見書にして国に提出した市議会があります。(例 東大和市議会 )

②議論の背景

なぜ、このような議論になるのかというと、やはり地方議員は何期もやっている人が多く、そのほとんどが議員年金の給付資格を持ち、また、それに基づいて生活設計をしているからだと思います。そういう人が多数派であれば、上記のような書面が回るのも分かります。

(この話が当てはまるかは別として、改革して当然の制度でも、改革を望まない人が圧倒的な多数派なら改革は頓挫する。)


③国民年金よりはかなり割がいい

ただし、市議会議員年金は公費から50パーセント強を補填されており、国民年金よりは割がいいのが現状です。

また、市町村合併と定数削減、給与削減が進むなか、給与水準と人数で積み立てている、世代間互助会としての議員年金の財政が揺らいでいるのは厳然とした事実です。


④このまま維持するのは無理

このままの制度が維持できるとは私には到底思えません。また、それが許される時代ではないでしょう

また、私の仲間の若手議員との会話の中では、われわれの掛け金はまともには帰ってこないという認識の人が多いようです。

変な話ですが、議員年金を脱退させていただいて、国民年金基金に積み立てるほうがいいということを言う人もいます。制度上は無理なのですが。

⑤国民年金基金という考え方はいかが?

私は正直、議員年金は国会のものも市議会のものも今の掛け金を国民年金基金と同じように扱い、国民年金基金の水準に従った給付を行えばそれが理想的だと思っています。これは、既に受給しておられる人についても、です。もちろん、今後の年金制度再編でいろいろ条件は変わるのでしょうが。基本的な思いとしては、それが公平だと思います。

⑥議論はオープンに、開けっぴろげで!

私はなぜ市議会議長会の書面がマスコミにほとんど取り上げられずに埋没したのか知りませんが、とにかくこの問題は表に出て議論すべきだと思います。

確かに「国会議員よりは少額で優遇の率も低いが国民年金よりは優遇されている地方議員年金」があり、財政が危機に瀕していること、そして、この記事に書いたような議長会の動きがあること、それは皆さんに知っていただいて議論しながら判断していくしかないと思います。

⑦市議会議員の待遇全体にもかかわってくる

良い人材を市議会に吸引するには今の待遇ではダメだろう、と発言する議員も仲間にはいます。彼の言うことは私も身をもって理解しています。この苦しい日々を優秀な知人には勧められません

近隣の市議会議員の報酬が低いのは、なりたい人を増やさないことによって既存の議員の当選枠を確保するため、という意見を言う人もいます。かなり穿った意見ですが、言いたいことはわかります。待遇が向上すれば、選挙は厳しく、市民の目も厳しくなるでしょうから。

⑧決めるのはあなた

金主は皆さん、市民ですから、とにかくこういう現状をお話しすることによって、やり取りをしながら私も決断をしていきたいと思います。少なくともまったくマスコミで取り上げられないのは残念です。

まあ、ニュースバリューがないのかもしれませんが。

とにもかくにも皆さんの思いが税金の使い道を決めるわけです。そして、私もできるだけネタは提供していこうと思います。

すべてオープンにして、皆さんと考えて行きたいと思っていますから。