異世代ともだちづくりフォーラムat和光市総合福祉会館の概要 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

異世代ともだちづくりフォーラムat和光市総合福祉会館の概要

和光市世代間交流会のシンポジウム、「異世代ともだちづくりフォーラム」に参加してきました。

 

世代間交流は意外に古い歴史のある概念ですが、さほど深く考えたことがなかったため、今回は良い勉強の機会になりました。

最初に語ったのは信州大の草野篤子教授。

「アメリカの世代間交流は1960年代から始まった.

日本でこの概念が注目され始めたのは2003年にサリー・ニューマンという第一人者が来日してから。

その後世代間交流会が立ち上げられ、本格的な活動が始まった。

日本社会は戦後すぐまでは人生50年という考え方をベースにできていて、いまも寿命が延びたのに社会構造の変化が追いついていない。

高齢社会=若者が重荷を背負う社会 と見られている

しかし、

高齢者は人的資源。彼らの存在をポジティブにとらえよう

アフリカのことわざには一人の子供を育てるには一つの村がいる、というものがあるが、実は一人の若者、高齢者など、人が幸せに生きていくには一つの村が必要。

子育ての環境は厳しい。

金銭だけでない、多くのエネルギーの必要性、

友人、地域、国など多くの支援の必要性。

世代間交流とは、子供、青年、中高年の人間がそれぞれ持つ能力や技術を出し合うこと

つまり、自分自身の向上等に役立つ健全な街づくりが求められる。

現代は過密の都市と過疎の地方、それぞれが今の社会に見合った共同体としてのつながりを見出せていない。

都市では学生も高齢者も誰もが一人暮らし。

そもそも伝統的な共同体社会では、高齢者がリーダーシップを取っていた。

三世代交流の条件は、寿命の長さ、婚姻率の高さ、出産志向の高さ。

日本は寿命の長さが抜きん出ているため、三世代間の交流は可能。

昔の子供の生活は、祖父母、父母、多くの兄弟姉妹、近所の人などによる豊かな人間関係だった。そして、家庭ではそれぞれの子供が役割を持っていた。そこでいろいろな知恵を学んだ。

しかし、今の子供たちの周囲は緊密な母子関係と学校のみ。

世代間プログラムの意義は、高齢者と青少年の間で経験を交換しあえること。

意図的、継続的な資源の交換・学習。

ますます世代間交流の互酬性(注 いわゆる ウィン=ウィンの関係)が重要。

コミュニティが創造すべき社会構造とは、

高齢者が社会に貢献でき、、生産的なメンバーであり続ける社会。」

というお話でしたが、正直、「お年寄りの知恵」を借りるのには賛成なのですが、ただでさえ年功序列で若者が軽視されがちなこの日本社会で、高齢者の権威をこれ以上強調することはいかがなものかと思ったり思わなかったり。

日本企業には相談役という名目の絶対権力者がたくさんいますが、本当の意味での相談役ならいいのですがね。

それと、私が今回ぴぴっと来たのは昔の子供たちの周囲の人間関係と、今の子供たちの周囲の人間関係の違いについて。

私の子供の頃は近所のうるさいおっさんとか、そういう人がいたのですが、今はそういう人間関係が確かに希薄です。タテの関係は私にはあまり好ましく映らないのですが、それでも必要なものであり、今の子供たちは社会に出ていきなりそれを学ぶのだから、大変だな、と素朴に思いました。

だからこそ、五月病になってしまうのでしょうか。

となると、子供時代からタテの関係に関するある程度の経験と学習が必要なのかな・・・・。