イラクで過激派に捕まった写真ジャーナリスト郡山総一郎さんの講演会
今日(10月23日)は和光市「母親大会」に行ってきました。
別の用事の後に回ったので、イラクで過激派に身柄を拘束されてその後生還した、写真ジャーナリストの郡山さんの講演だけを聞く形になりました。
スライドが中心の講演会だっただけに、なかなか内容はお伝えしにくいのですが、印象に残った話のごく一部だけをかいつまんで。
フセイン政権崩壊直後のイラクでの話
・ やたら町中の人が荷物を持って歩いていると思ったら、ほとんどは泥棒帰りだったらしい→政権崩壊というものを肌で感じた
・ 普通泥棒はこそこそするがあっけらかんとしている。写真を撮ろうとするとピースサイン
・ テレビ報道と現地のギャップを感じた
・ 戦地取材ではまず病院にいくのだが、そこに入っている子供たちは日本などと違って、戦争の犠牲者である
・ 権力者同士の戦いである戦争で犠牲になるのは子供
カンボジアの話
・ フン=セン首相は独裁者で、悪口を言った人が翌日いなくなってしまうということが日常的にある
・ フン=セン政権はベトナムの言いなりでアメリカと日本の関係みたい
・ 売春している人の40パーセントは人身売買の犠牲者。
・ 人身売買には裏社会がかかわっていて、かくまうNGOも命がけ。殺された人もいる。警官もつるんでいる
・ ゴミ山をあさる家族を国際支援のごみ焼却場建設問題が追い立てている
・ 素手で地雷処理をする男性の話(6000個も処理した)
タイの話
・エイズの孤児たちの施設の話
アフガンの話
・ まだ戦争状態が続いている
・ 人身売買が横行(臓器売買などで殺される子供も)
・ 難民キャンプで二世三世が育っている
・ 自衛艦から給油を受けた米軍が爆撃した。税金の使われ方がおかしいと感じた
・ 避難途中で家族全員を失い、一人で物乞いをする少女がいた
パレスチナの話
・ 少年がイスラエル兵に投石器で石を投げる抵抗運動があり、イスラエル兵はゴム皮膜弾で威嚇しているタテマエだが、普通の弾丸も混ぜて撃っている。ゴム皮膜弾も当たれば場所によっては死ぬ。イスラエル兵には犠牲者は出ないのに・・・・
・ アラブ人地区→イスラエル人地区の検問で何時間も尋問される。検問所の内側の病院に病人や妊婦を運ぼうとして果たせず、死んでしまう人、待っているうちに産んでしまう妊婦などがいる。昨年は70人産まれた。
・ 沖縄の基地の検問と光景がダブった
総じて戦争や貧困の犠牲者に対する怒り、哀悼の視点からの作品が多かったように感じました。
そして、税金の使われ方についての話のところで、いつものようにぴぴっと来てしまいました。
また、今回はテーマが「紛争、貧困 私が出会った人、子供たち」だったためか、拘束されたときの話などは一切ありませんでした。
郡山氏は行動的で誠実な人物に見えましたが、残念ながら、時の権力者を口汚くあしざまに呼び捨てにする(例:「小泉」など)ところが気になりました。
そして、最後に、「いつも『がんばってください』と言われるが、『おまえもがんばれよ』と感じる」という発言がありましたが、感じはあまり良くはないですね。
せっかく戦争を憎み、平和のための活動をしているのに、これでは多数の同意が得られません。これは左翼系の多くの行事を見て感じることです。大切なことを言っていても、ぶち壊しになってしまいます。べつに、「小泉」じゃなく「小泉首相」でもいいでしょう。呼び捨てにして日本が変わるわけじゃありません。他山の石とせねば、と感じました。私もお上品な人間ではありません。
郡山さんについて詳しく知りたい方はJANJANの記事 をご参照ください。
(写真ジャーナリスト・郡山総一郎さんは16(2004)年4月8日、ファルージャ近郊で今井紀明さん、高遠菜穂子さんとともに過激派に拘束され、9日後に開放された。そう、「あの人」です。)