鹿島鉄道とアサザ群生地の見学へ~皆さんもこの夏、おすすめの霞ヶ浦 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

鹿島鉄道とアサザ群生地の見学へ~皆さんもこの夏、おすすめの霞ヶ浦

今日は一日時間がとれたので、気になっていた茨城の二つの市民運動の現場をちょっと見てきました。


まず、廃止決定後住民が踏ん張って廃止をひっくり返そうとしているローカル線「鹿島鉄道」を見てきました。

住民運動として注目されており、NHK「ご近所の底力」でも紹介されました。

実際はどうなんだろう、と電車に乗り、近所の人をキャッチしてお話をうかがいました。

「やっぱお客はなかなか増えてないんじゃないの」

というのが実感のようです。

いろいろ工夫はしています。

自転車を車内に持ち込める制度やお年寄り向けのシルバーパスなどなど、知恵と汗を出し合っての運動のようです。

ただ、苦しいから止めたわけで、即刻解決と言うのはないでしょうね。地元の人の粘りだと思います。

なお、鹿島鉄道は駅に無料駐車場も作っていましたがほとんどの駅はガラガラ。

まあ、クルマの方が便利ですから。

ただ、乗ってみると味わい深いですよ。単線、ワンマンの旧式気動車(ディーゼル車)、乗っているおばあちゃんたちの聞き取れない茨城弁の会話。

子供を乗せてやると絶対に喜ぶでしょうね。


沿線には観光地として霞ヶ浦があります。

そこで、全国から注目されている市民運動、アサザプロジェクトが動いています。

霞ヶ浦のコンクリート護岸を減らし、自然な岸辺を作る、そして、もともとの植生であるアサザ(スイレンの仲間)を植える、また、上流の谷津田(山間の田んぼ)を復活させることで湧き水を増やし、霞ヶ浦の水質を浄化するという壮大なプロジェクトです。これ、衛星画像にもしっかり映っています。

100年後にトキを飛ばす、という壮大かつ無謀な目標、そして、護岸には周辺の里山の木を使った粗朶という木組みを使うことで地域を活性化していく、水質改善とアサザの生育で漁業を振興するというビジネス感覚、とにかく最も成功してるNPOといわれるのがよく分かります。

さらに、アサザの苗は地元の小学生が学校の池(学校ビオトープ)で育てています。谷津田はNECの社員が手伝っています(そこでとれた米は日本酒になります。米の銘柄は日本晴。私のふるさとで昔、大量に作られていた品種です)。空からの情報分析や小学生への授業では財団法人のリモートセンシング技術センターも協力しています。大企業、財団法人などを巻き込み、総合学習を巻き込んでの地域ぐるみの事業は本当に要注目です。

この地域は景色が壮大で、緑が豊かなすばらしい地域です。

ここで壮大なプロジェクトが進行していることを皆さんに知っていただきたいですね。

そして、アサザ基金のいろいろなイベントは本当に安価で楽しいです。ぜひ参加して、子供の頃の気持ちに帰っていただきたいと思います。

皆さんが日が落ちるのも忘れて夢中で遊んだあの野原、池、谷間、田んぼ、そんなものがまだ残っており、それをもっともっと復活させたい、という熱い人々がいます。

このアサザの植えられている場所を観察し、しばらくその辺りを観察してきました。

アサザプロジェクトで植えられたアサザにつぼみらしいものが見えました。そして、釣り人が数人。

よく見ると、「釣り針でアサザを傷つけないでね」。しかし、釣り人はアサザのところで釣っています。そこは特に生き物にあふれており、釣れるようです。

追記:アサザプロジェクトで採用している粗朶による工法は、コンクリート護岸の100分の1のコストだそうです。

追記:中心人物の飯島さんはある青年漫画誌にも登場しました。

鹿島鉄道を守る会


アサザ基金


リモートセンシング技術センター