2018年1月8日は成人式でした。

 

僕のころは、1月15日が成人式だったような気がするのですが、今は日曜に休日をくっつける法律もあって、

成人式の日が毎年変わりますね。

 

そんな中、晴れ着を申し込んだのに、受け取れなかった方が大勢いらっしゃったようです。

 

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/晴れ着トラブル被害総額は数千万円か-東京と神奈川/ar-BBI8D8s?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp

 

この会社は、晴れ着のレンタルも販売もやっていたようです。

 

当日になって、変わりの晴れ着を用意するのは大変です。当事者の方の困惑やお怒りは、余りあるものだったと思います。

 

さて、法的に見てみましょう。

 

このようなケースは、まず

 

1、資金繰りが悪化して業者が夜逃げしてしまったケース

があります。

 

 晴れ着のレンタルを申し込んだり、購入した人はどうなるでしょうか。

 

まず、晴れ着のレンタルを申し込んだ方。

当然、晴れ着を借りられなかったわけですから、もし支払済みの代金があれば、法的には返還を請求できます。

また、代わりの晴れ着を、高い価格で用意せざるを得なくなった場合などは、差額分を損害賠償請求できるしょう。

ただ、会社が倒産してしまうと、実際上はほとんどお金を請求できないということになってしまいます。

 

次に、晴れ着を購入された方。

こちらの方が被害は深刻でしょう。

既に晴れ着の代金を支払っている場合は、当然返還請求できますが、倒産してしまうと請求できないのはレンタルの場合と同様です。

 

また、代金を既に払っている場合は、購入した晴れ着は購入者様のものです。

晴れ着を引き渡せと請求できます。

ただ、これも、第三者が善意(つまり他人のものと知らないで)取得している場合は、その第三者が所有権を取得してしまいます。

購入された晴れ着も第三者に転売されている可能性があるので、晴れ着の返還請求も難しい場合があるでしょう。

 

次に、

 

2、最初から倒産するつもりで、晴れ着のレンタルや販売をしていた場合

 

お金や晴れ着の所有権などの民事の問題は、先ほどとあまり変わりません。

ただ、この場合は、業者に詐欺罪が成立する可能性があります。

お金を最初からだまし取るつもりですから、詐欺になるわけです。

 

ただ、これも、

「最初から倒産するつもりだったのか」それとも、「努力したけど倒産してしまったのか」

を区別することが困難です。

 

客観的な証拠(会社の資金繰りがどうだったか)などから、捜査していくのですが、

詐欺罪に問うこともハードルが高いということになってしまします。

 

被害にあわれた方の成人式が無事に終わったことを祈念いたします。

 

新橋虎ノ門法律事務所 共同代表弁護士 武山茂樹

 

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