昨日、改正刑法が施行され、刑法から強姦罪が消えました。
http://www.sankei.com/affairs/news/170713/afr1707130001-n1.html
「親告罪」規定を撤廃 性犯罪厳罰化の改正刑法が13日に施行
性犯罪厳罰化のための改正と、報道されることが多いようですが、改正点は多岐にわたります。
・「強姦罪」を「強制性交等罪」に改め、肛門性交や口腔性交も処罰の対象に加えました。
また、今までは男性は被害者にならなかったのですが、今回の法改正で男性も女性も被害者になることになりました。(今までは男性の被害は、強制わいせつ罪にしかならず、強姦罪より軽く処罰されていました)。
男性が被害者にならない点が、憲法に規定のある「法の下の平等」に反するのではないかという議論があったのですが、その論点は解消されました。
また、「強姦」という表現を避けるために「婦女暴行」という表現を使っていたメディアの方は、「強制性交等」という表現を使えるようになるでしょう。
・厳罰化
今まで強姦罪の法定刑は3年以上の懲役だったのですが、強制性交等罪は、5年以上の懲役になります。
・非親告罪化
被害者の告訴がないと裁判を開けない罪を、親告罪といいます。
今までの強姦罪は、親告罪だったのですが、強制性交等罪は、非親告罪となりました。
被害者の告訴がなくても、捜査機関は捜査をし、刑事裁判にかけることが可能になります。
もちろん、現実的には被害者の協力がなければなかなか有罪にはならないのですが、被害者の告訴の負担を減らすことには一定の意義があるでしょう。
他にも改正点はあるのですが、本日はこの辺で。
新橋虎ノ門法律事務所 共同代表弁護士 武山茂樹
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