昨日、共立アカデミー様から(第二東京弁護士会が)ご依頼いただいた裁判傍聴にいって参りました。



たくさんの学生さんや社会人の方にご参加いただきました。



裁判って、何か近寄りがたいし、恐い。



でも、裁判は公開されているって聞くし、見てみたい。



そんな方も多いのではないでしょうか。



実際、裁判員裁判が始まってから、裁判を傍聴される方は多いです。



昨日もほぼ満席の法廷もありました。


裁判傍聴は、できれば弁護士などの解説者がいればわかりやすいですが(私が所属する、第二東京弁護士会でも裁判傍聴ツアーをやっております)、自分ひとりで行くこともあるでしょう。


そこで、ひとりで行っても、充実した裁判傍聴となるコツをいくつか書いていくことにします。


1、刑事裁判を選ぶ(民事裁判を選ばない)。


 刑事裁判は、殺人や強盗など、犯罪に刑罰を与える裁判のことをいいます。

 一方、民事裁判は、貸したお金の返還請求や、離婚など、財産や家族に関する裁判のことをいいます。


 民事裁判の方が身近に感じるかもしれませんが、民事裁判は傍聴してもほとんどわからないと思います。

 なぜなら、民事裁判は書面のやりとりでほとんど進むからです。

 書面をあらかじめ提出して、裁判の日には、書面のとおり陳述しますと言う。

 もちろん、証人尋問などのエキサイティングな場面もありますが、たいていは見ててわからないでしょう。


 一方、刑事裁判は、原則、口頭でのやりとりで進みます。

 ですから、何も事件のことを知らなくても、ある程度流れがわかります。

 刑事事件を選びましょう。


2、新件で1時間枠の事件を選ぶ


 刑事裁判の流れを一通り把握するには、まずは単純な「認め」事件を選ぶといいでしょう。


 被告人が罪を認めており、かつ、それほど複雑でも重大でもない事件は、たいてい1時間くらいで裁判が終わります。


 たとえば、窃盗罪や覚醒剤自己使用剤などで、罪を認めている場合です。


 検察官が起訴状を読み上げることから始まり、冒頭陳述(証拠で証明する事実を明らかにする)、証拠調べ、証人尋問と続き

 最後に検察官が論告と求刑(懲役○年が相当)、弁護人が最終弁論(被告人の防御のために弁護士が論理立てて論じる)を行い、裁判が終わります(結審といいます)。


 判決は同時に行われることもありますが、たいていは別日です。


 慣れてくると裁判員裁判や、2回目の審理を傍聴してもよいと思いますが。最初は新件で1時間枠の事件を選ぶようにすると、刑事裁判の流れがわかります。


3、できれば、最初に刑事裁判の流れを学習しておく


 これは、可能ならば、の話ですが、書籍等で刑事裁判の流れを学習しておくと、さらに裁判傍聴が充実するでしょう。

 インターネット等で流れを学習しておくのもよいと思います。

※当ブログでもそのうち取り上げたいと思います。


書籍なら、

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このあたりがおすすめです。

刑事裁判の流れがしっかりわかります。


また、もっと刑事訴訟法を知りたい方は、


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このあたりになると法学部の学生が使う本になってきますが、おすすめです。


新橋虎ノ門法律事務所 共同代表弁護士 武山茂樹

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