9-業種・業態の企画(ビアレストラン)コンセプトと施設設計のチェックポイントを学ぶ | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。



9-業種・業態の企画(ビアレストラン)コンセプトと施設設計のチェックポイントを学ぶ



2各部施設計画のチェックポイント
パース図-1
これまでのビアレストランというイメージとしては、ビールタンクやビアホールの雰囲気など企画するコンセプトがビールという料理に片寄る傾向に合ったものの、この店の場合には、ビールカウンターはビールドラフトタワーの数が多く、ビール業態ならではのイメージを訴求しているが、全体的にはしいて言うならばブリティッシュパブよりのイメージで全体のイメージを統一していることだ。
しかしあまり強いビールというイメージを訴求せずにビールの種類や豊富に持っているものの、客のライフスタイルに合わせてレストランとして利用するあるいはビール志向のこだわり族にも対応できるイメージ作りをしている。
ビールカウンターの壁には、アンティックなビールの製造写真や大小の額絵をアットランダムにレイアウトしていることだ。
パース図-2
ビールカウンターの施設計画の詳細イメージである。ビールカウンターの役割は、いかにスピーディーにビールを提供するかにあるだろうし、繁忙時には種々のビールの注文がコーナーに入ってくることになることだ。その注文に迅速に対応できる仕組みを計画しておかなければ、ビールの提供は遅延してしまうことになるだろうし、遅延はクレームに対象にもなることだ。
特にビールを主軸にする業態が提供スピードが遅いことやなかなか追加注文がサービスできないことは業態としての致命傷になってしまう。ビールのドラフトのレバーの高さは約1300ミリ程度が適正であり、早くビールをグラスに注ぎやすいことも重要なポイントの一つであろう。その他カクテルなどグラスの位置、アイスピン、カクテルの炭酸水やカクテル類を提供するハンドディスペンサーなどあまりスタッフが動かずに作業ができることが大切であることだ。
パース図-3
メインキッチンのクッキングラインの施設計画の詳細イメージである。ビアレストランで提供されるメニューによっても厨房機器の選定や配置は変化してくるものの、昼のランチや夜のつまみメニューなどを配慮すれば、種々の調理に対応できる調理機器を配置しておくことが大切であろう。
肉料理や魚料理を焼くためのチャコールブロイラー、グリドル、ガスレンジ、フライヤー、パスタボイラー、スチームコンベクションオープンなど多種多様な料理ができるように機器配置をしていることが、ランチ需要や季節変動など通年を通してはメニュー構成の変更などどのようにでも対応できることが理想的であることを理解しておくことだ。
あくまでもこの店の場合には客席数が多いことやグループ客の集客、個室客への大量提供を想定してのことであることを忘れてはならない。

パース図-4
洗浄エリアの施設計画の詳細イメージである。この店のように客席数が100席を超えるあるいは繁忙時に客が集中する業態の場合には、洗浄エリアは効率的なコの字で書くセクションを構成することが理想的であろう。
特にビール類の出数が多いことなど食器類やグラス類など途絶えることなく洗浄エリアへ下膳されることを配慮すると、客席に一度下膳のバスボックスを配置しておくあるいはテーブルの下膳にはバスボックスを使用し、まとめて下膳してくるなどのオペレーションを想定した計画にしておくことが大切であることだ。
また洗浄機の能力や機能ものラックが自動的にスライドしていくコンベアータイプの機種を選定することが理想的であることを理解しておくことだ。
洗浄作業を終えたグラスや食器類は全て各施設に戻すことを配慮すれば、どのように各エリアに食器類を戻すかなど具体的なオペレーションも想定しておくことが作業を円滑にするためのポイントであろう。