厨房設計/イタリアンデリ&レストラン/ スケッチから学ぶ施設計画のチェックポイント | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

厨房設計/イタリアンデリ&レストラン/ スケッチから学ぶ施設計画のチェックポイント




平面計画/ゾーニング計画のポイント

この店のゾーニング計画としては、入口に向かって右側のデリ販売コーナースペース、奥側にトイレ、左側にレストランスペースを配置しそれぞれの背後にメインキッチン、バックヤード、事務所スタッフルームなどを配置する計画にしていることだ。

各デリコーナーとレストランの利用方法としては、デリ惣菜のみを買いに来る客とレストランを利用する客が繁忙時に煩雑にならないようにするために、入口で二つのゾーンに通路やスペースを分けていることが理想的であろう。

レストランを利用する客は、帰る際にはデリ惣菜を購買する動機も配慮し、コーナーを完全に区画しないようにしておくことが複合店としての配置計画の基本であろう。

各部施設計画のチェックポイント




パース図-1

イタリアンデリとレストランの複合店というイメージは、イタリア料理店を利用した人であれば、さほど想像を逸脱するイメージにならないことだろう。店の企画としては、キッチンをオープンにするあるいはセミクオープンにするなど店のスタイルによっても異なるものの、この店の場合には、セミオープンキッチンの企画にしていることだ。

デリコーナーの背後には大きくガラスでフィックスしたキッチンエリアが見えるように配置し、デリ惣菜類が調理製造されるバックキッチンを臨めるように演出していることも、利用者への食への期待感や安心感、好奇心などをアピールするめためのポイントになるだろう。

全体のイメージとしては、セミオープンキッチンであるものの、デリコーナーからもレストランの雰囲気が分かるように開放的にしていることやレストランのパントリーエリアとデリコーナーを相互に行き来できるように機能的且つ効率的なスタッフ配置を計画していることだ。



パース図-2

レストランのクッキングラインの施設計画の詳細イメージである。レストランの機器配置としては、そこで提供されるメニューの主軸内容に異なってくるもの、一般的には、カルト料理、コース料理までイタリア料理の肉、魚類、パスタ類の料理など全て調理できる計画になることが基本であろう。右側からガスレンジ、下部にはオープン、チャコールブロイラー、グリドル、下部には冷蔵コールドドロアー、隣にフライヤーなどほとんどの調理に対応できる機器配置を並べていることだ。

特に炭火で肉(ビーフ、子羊など)ソーセージや魚類を焼く料理を主軸に置いているため、グリドルとチャコールブロイラーがラインの中心に構成されていることを理解しておくことだろう。



パース図-3

デリコーナーの冷蔵ショーケースの施設計画の詳細イメージである。デリ惣菜コーナーとしては、デリ冷蔵ショーケースを4台配置していることなど、デリ惣菜の種類も多種多様な料理に対応していることだ。

各デリ冷蔵ショーケースに陳列する料理によって冷蔵ショーケースの配置や陳列方法に配慮しておくことであり、軽量販売のデリやあらかじめ小ポーションに合わせたパック販売など、料理内容によって繁忙時に収集するデリは、レストランコーナーを繋ぐ通路に隣接しないように配慮し配置計画を進めることが大切であろう。

デリ冷蔵ショーケースの販売カウンターの高さは、最大で1350ミリ以下で設定することが販売サービスの障害にならない寸法であることも合わせて検討しておくことも忘れてはならない。



パース図-4

バックキッチンの施設計画の詳細イメージである。バックキッチンで行う作業の中心は、デリ惣菜類やレストランで使用する材料類の仕込み作業など時間帯に合わせて調理作業の工程や手順を計画しておくことが大切であろう。基本的には、デリ類の保存期間も料理内容によって異なるものの、1.5日、1日など1日どのぐらいのデリ惣菜を調理するなど日々ごとにことなってくるため、計画的調理のオペ―レーションを図ることが理想的であることだ。

調理機器内容としては、大量調理を円滑に進めることができるスチームコンベクションオープンを中心に、ガスレンジ、グリドル、ソース類を調理するためのローレンジなど全体的に調理オペ―レーションが調理機器に依存できる機器選定や料理内容にしておくことが理想的であろう。

つまりいかなる業種・業態の飲食店のキッチン計画においても共通するポイントは、キッチンの細部内容やオペレーションとの関係性など具体的の理解を深めることが大切であり、常にゲストの期待感や好奇心を喚起する演出構成をどのように計画に反映できるかが、厨房計画の善し悪しを左右するポイントになることを忘れてはならない。