22厨房設計/立ち食いそばスケッチから学ぶキッチン計画ポイント | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

22厨房設計/立ち食いそばスケッチから学ぶキッチン計画ポイント


厨房設計講座/エーエフディーコンサルタンツ竹谷稔宏

1パース図-1

立ち食いそばという共通するイメージとしては、誰しも思っているものはさほど変わることはないだろう。

ほとんどの場合には、店の入口周辺に券売機の設置があることやそこで購入した券を注文コーナーへ差し出し、注文した料理と交換しこのみにカウンターで食べるという光景や仕組みは大きく変わるものではないことだ。

内装イメージもそばという和食のカテゴリーを統一したデサインを施すことが多く、全体的には木基調で全体の内装構成をすることが一般的であろう。

最近の傾向としては、立ち食いそばというものの、立ったまま食べる席と客席を配置している店も多く、むしろ狭くとも客席を配置していることが常になってきていることだ。

立ち食いそば店のイメージとしては、立ち食いそば店の定番の顔を持っていることであり、入口にはサンプルケース、券売機、暖簾という構成ですぐに客に認知されるデザインになっていることも立ち食いそばの特徴のひとつであろう。


厨房設計講座/エーエフディーコンサルタンツ竹谷稔宏

2立ち食いそば平面図解説

ゾーニング計画のポイント

この店のゾーニング計画は、入口に向かって左側に券売機を配置。店内正面に料理提供カウンターとキッチンを配置し、右側と左側にカウンタータイプの椅子席、中央には立ちカウンターを配置していることだ。

立ち食いそばの業態の場合には、繁忙時は店内が客で煩雑になることが多く、券売機と料理の交換後、それぞれの客が店内を回遊することになるため、客がカウンター席で食事をしている状態で通路幅を最低約800ミリは確保しておくことが大切であろう。

店の時間帯繁忙状況によっては、券売機の数が複数ある店もあろうし、キッチンの機能としては、繁忙時の状況に合わせてスピーディーにそばの提供ができるように機器配置をしておくことが理想的であることを忘れてはならない。

予め揚げた種々の天麩羅は、カウンター保温ショーケースに陳列しておくことが多く、客が商品を見てあるいはその場で追加する場合もあるが、基本的にはショーアップすることが基本ではなく、あくまでもサービスするための機能に比重を置いて計画に臨むことが大切であろう。


厨房設計講座/エーエフディーコンサルタンツ竹谷稔宏

3パース-2

クッキングラインの施設計画の詳細イメージある。

クッキングラインの構成配置計画は店のシステムによって様々なスタイルがあろうが、この店の場合には、全てサービスカウンターの背後でそばを茹で上げるボイラー、その横には全自動麺脱水機、手前に冷やしそば用の冷水シンクを配置したものである。

また繁忙時に合わせてそば用の器類は、ワークテーブルの上に積み上げておくあるいは麺脱水機の下部に食器収納スペースを確保しておくことが理想的であろう。

またこの店の特徴としては、全自動のエスプレッソマシーンのように、機器の上部に各だしセット(だしの材料まとめたカートリッジ)しておけば、自動給湯、だし抽出し自動的に保温ウォーマービンにだし汁が落ち貯蔵するダシ専用ロボットを配置していることだ。

常に新しい美味しいだし汁とそばを提供できる仕組みであり、他店との大きな差別化のポイントになるところでもあり、時代やニーズに適合した技術革新が求められるところだろう。


厨房設計講座/エーエフディーコンサルタンツ竹谷稔宏

4洗浄ラインの施設計画の詳細イメージである。

立ち食いそばの仕組みとしては、食べ終わった器、水用コップなどは全て客が返却コーナーへセルフサービスで返却することが常である。

客側から返却された食器類を受け取るカウンターの広さや幅は、繁忙時の集客数や回転数に合わせて寸法を計画することが理想的であろう。

返却コーナーのスペースが小さければ、洗浄エリアを担当する人は、常に人員配置しなければならない。物件の大きさや繁忙状況を配慮して計画に臨むことが大切であることを忘れてはならない。

また客側から返却される器の状態は、汁類や箸を分別して廃棄できるようにダストシンクを配置していることも重要なポイントだ。

オペレーションとしては、器をシンクで軽く表面を洗い洗浄ラックに並べて洗浄機に投入し、洗浄後の新しい器は、一時的に洗浄ラインの下部にバスボックスを配置しておき、用途に合わせて調理ラインの器置き場に返却するように計画しておくことが理想的であろう。

つまりいかなる業種・業態の飲食店のキッチン計画においても共通するポイントは、キッチンの細部内容やオペレーションとの関係性など具体的の理解を深めることが大切であり、常にゲストの期待感や好奇心を喚起する演出構成をどのように計画に反映できるかが、厨房計画の善し悪しを左右するポイントになることを忘れてはならない。