2厨房設計/地鶏居酒屋のスケッチから学ぶキッチン計画のポイント | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

2厨房設計/地鶏居酒屋のスケッチから学ぶキッチン計画のポイント


エーエフディーコンサルタンツ竹谷稔宏/飲食店の厨房設計講座

1パース図-1

内装イメージコンセプトの計画する要素には、種々の題材があるものの、基本的には、企画する業種・業態を内装デザインとして反映できるものでまとめられることが常であることだ。

この地鶏居酒屋の内装イメージコンセプトとしては、主軸となる地鶏を焼くコーナーを演出あるいは店全体のポイントとして中心に配置構成することが全体のイメージ創造が膨らませることができるだろう。

店の大きさとしてもさほど大きな坪数ではないことや繁忙時には満席になることを想定すれば、焼き場をカウンター席と隣接して全体構成をすることがポイントになるだろう。

小さい店の特徴としてはどうしてもキッチンを全て解放しなければビジネスとして成立しないことを配慮すれば、オープンキッチンの思想を内装とキッチンデザインを一体化した計画にしていることがポイントであろう。



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2地鶏居酒屋平面図解説

ゾーニング計画のポイント

この地鶏居酒屋のゾーニング計画は(うなぎの寝床にように奥に長い場合には)、入口から向かって左側にカウンターとキッチンを配置し、右側に4人席を並べて全体構成をしていることだ。

デモストレーション演出をする場合には、入口周辺で訴求することが客の期待や驚き、興味など喚起するための一つの鉄則であり、焼き場の料理人の姿が入店してくる客の視線を集めるように配置計画することが大切であろう。

また演出要素としてただ単に焼き場を演出だけにとどまらず、素材の鮮度や美味しさへの期待を誘発するための企画をすることがポイントになることだ。

全体的なオペレーションを想定すると、小さい店の特性としては、いかに限られた狭いスペースを効率的に活用できるように計画することが大切であり、この店の場合には、料理提供と下膳を同じ位置で行えるように計画している。

3パース図-2

焼き場演出の施設計画の詳細イメージでる。演出の基本としてきは、焼き場の調理機器をカウンターに座った客の視線に合わせて高さ寸法を設定することで食へ対する期待が大きくなることだ。

また焼鳥そのものの、食材を大きなハラン(50センチほどの葉、鮨のサービスする際の器の代わりと使用されるもの)を敷きつめ、その上に種々の食材を串に刺し仕込んでおいた焼鳥類を陳列することも食への期待を高める要素の一つになるだろう。

勿論、演出のみに終始してしまうと、料理を提供するための機器配置や効率性が低下する可能性もあるため、機能性や効率性も合わせて配慮しておくことがポイントになることだ。

アイスベットディスプレイの下には、皿類を収納できるスペースを確保。焼鳥機の下部にはあらかじめ串刺しした焼鳥の予備を保冷しておくことができるようにコールドドロアーを配置しておくことが理想的であろう。

またその他のつまみメニューについてもスムーズに調理できるようにその横には、ワークテーブルを兼ねたコールド冷蔵庫を配置していることでよりスピーディーに料理提供を可能としていることだ。



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4パース図-3

料理の提供と下膳を兼ねた施設計画の詳細イメージある。小さい店になればなるほど、狭いスペースを効率的に有効利用しなければ、オペレーションがスムーズにできるかとかしばしばであることだ。

この店の場合には、カウンターの一部を利用して上部は料理を提供するためのスペースとし、下部のスペースは下膳された皿類の一時置きスペースに区別していることだ。











基本的に飲食店である限り調理後の料理と食べ終わった皿類を混在した環境を作ることは衛生的に配慮からして理想的ではないだろう。スペースが小さく、狭ければ狭いほど空間利用を効率的に計画することがポイントになる。

また下膳された食器類の残菜類をダストシンクに捨て次のシンクで洗い、次に濯ぎ一時収納するという一連の流れを小さいスペースに配置することも効率的に施設構成をするための大切なポイントであることを忘れてはならない。


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つまりいかなる業種・業態の飲食店のキッチン計画においても共通するポイントは、キッチンの細部内容やオペレーションとの関係性など具体的の理解を深めることが大切であり、常にゲストの期待感や好奇心を喚起する演出構成をどのように計画に反映できるかが、厨房計画の善し悪しを左右するポイントになることを忘れてはならない。