厨房設計/統一規格のない冷蔵仕様は厨房計画の弊害になる理由 | 厨房設計/繁盛店づくりの新しい厨房計画を学ぶ/竹谷経営塾。ティファーズコンサルティング

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厨房設計/飲食店開業繁盛づくりを目指す人へのアドバイスをするブログ、飲食店コンサルタント「ティファーズコンサルティングの竹谷稔宏。その他厨房会社設計部門など飲食店の心臓部である飲食店の厨房設計について解りやすく解説する講座です。

厨房設計/統一規格のない冷蔵仕様は厨房計画の弊害になる理由



エーエフディーコンサルタンツ竹谷稔宏/飲食店の厨房設計講座






厨房会社には、冷蔵・冷凍庫のように食品を冷やす機器を専門に製作する機器メーカーという存在があることは周知の通りであろう。しかし食品を冷やすという原理はさほど変わらないものの、飲食店のキッチンラインには、必ずといっていいほど厨房機器の横に並べられる機器であるはずが、その他の調理機器との設置精度やレベルは一向に配慮がなされていないことだ。

飲食店の厨房内には、主軸料理を調理するための様々な調理機器が配置されて一つの厨房というキッチン計画が完成するそのスタイルは業種・業態が変わろうとも、さほどその基本は大きく変化するものではない。

特に飲食店の厨房設計の機器構成を配慮すると、貯蔵機器、キッチンラインの中心にはプレパレーションした食材を保冷しておくための冷蔵庫など効率的キッチン計画を進めるための重要な位置を占めていることだ。

勿論冷蔵庫の本来の役割は、厨房内温度が40℃以上になろうとも、食材を冷蔵・冷凍すれば、その役割を維持していることは当然であり、世界的にも冷蔵・冷凍機能は優れていることは理解できるところだろう。

しかし厨房スペースに配置される厨房機器は冷蔵庫だけではなく、様々な機器と組み合わせてキッチン計画が進められることを配慮すれば、冷蔵庫の隣に並ぶ機器との配置詳細や組み合わせの精度も配慮されていることが理想的であることは配慮されていて当然のことでなければならない。



というよりも調理機器との組み合わせはコールドテーブル、コールドベースなど調理機器とのマッチングは特に重要視されなければならない部分であり、厨房計画を進めるたびに、わざわざ厨房メーカーの規格品の天板を新たに製作しなければならないという現実は非効率且つよりよい厨房計画を進めるための弊害でもあることだ。


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その天板改造の費用はクライアント側が費用を負担するということが常であり、新しく厨房計画をするたびに天板改造という費用が発生することには納得がいかないことだろう。

冷蔵機器メーカーの言い分としては、規格品のままに厨房に配置してもらえばよいということであろうが、隣に並ぶ厨房機器のノーズ(形状)が合わないため塵や汚れの隙間になりやすいことなど、機器配置は細部まで精度が高いレベルを維持できるように基本的な仕様を配慮しておくべきであることだ。



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この現実に輪をかけるように冷蔵機器メーカーごとにその細部仕様が異なることであり、少なくとも狭い業界であることを配慮すればフェイスラインやノーズなど規格品段階で統一するかあるいは天板を変更するという思想のもとにその費用をメーカー側が機器価格に反映しておくことが理想的であるはずだ。

厨房業界という同じ釜の飯を食う共同体であるものの、現実は我が道を行くという思想はゆるぎなく、歩調なき独自路線を突き進むことは現実的ではないことを素直に理解すべき時期に来ている。


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冷蔵機器メーカーにかかわらず厨房という枠にかかわる機器メーカーはもっと厨房配置の精度を高めるための歩調を合わせることを忘れてはならない。

自社が製作した機器は素晴らしいという自己満足では厨房という総合的な価値を高めることができないことを肝に銘じておくことだろう。