厨房設計/パントリーの役割と重要性を認識する
飲食店の計画に際してパントリーという存在は厨房範囲に入っていないという誤った認識があることだ。飲食店の内装設計に精通しているデザイナーであれば、ディッシュアップ周辺にパントリーエリアを配置段階でスペースを確保しおくものの、一般的には、料理や厨房の範囲にあまり興味を示さないデザイナーが多く、全体計画の段階でパントリースペースがいつの間にか抜けていることは珍しいことではない。
そもそも飲食店におけるパントリーの役割とは、厨房と客席を結ぶ中間点に位置する存在であり、且つ来店してきた客へのサービスのスタートであることを理解しておかなければならない。
つまりいかなる飲食店でもそのスペースの大小に限らず、必要不可欠な存在であることを認識しておかなければならない。またパントリーの配置は業種業態によってことなるものの、基本的には厨房とレジに隣接していることがオペレーションを円滑に運営するためのポイントであることだ。
よく明らかに計画段階でパントリーの存在を忘れたという店の場合は、後々パントリーを増設したという店に出会うことがしばしばあるが,いかに飲食店の計画段階でのシミレーションに欠けているかデザイナーのレベルや経験が露呈してしまうところでもある。
つまりパントリーの役割や存在の重要性を理解していないと飲食店の運営そのものに大きく影響するばかりかサービス機能がスムーズに稼働しないことを理解しておかなければならない。
むしろ厨房側からデザイナーにパントリーの位置や機能をアドバイスできるぐらいの力量や知識がほしいところだろう。
飲食店とは大きく内装、厨房、その他付帯設備が相互に有機的に機能してこそ、円滑な運営に繋がることを理解しておくことだ。
飲食店とは、客が来店してから退店するまでの客が店で過ごす時間の全てのサービスに対応できる仕組みになっていることが完成度の高い飲食店づくりのポイントであることを肝に銘じておくことだ。「知識や情報は進化し続けて価値が生まれるもの」