明日からの3連休、俺は恋人であるトオルくんと過ごす。
俺達が会う頻度はだいたい月イチだから、まぁいつも通りのペースだ。特に旅行に行くわけでもなく、ゆっくりと街ブラでもするつもりである。

ただこの3連休は俺にとって、恐らく大きな分岐点となる。今後の進退を見極める、つまり、「彼に別れを告げるかどうかを考える」3日間として位置付けている。

10年という長い時間を連れ添ってきた。
彼のことは今でも大切に思っているし、15年20年と続けられる未来があるのならそれを望む気持ちもある。

一方で、トシキくんに恋心を抱いているのも事実だ。
トシキくんと付き合うことができたらどんなに幸せだろう。今一番会いたいのは彼だし、彼と過ごしているときが一番楽しい。

今この瞬間の正直な気持ちだけを天秤にかけたのなら、恐らく「別れを告げる」に傾くだろう。

ただ本当にそれで良いのか、その結論が正しいのか。

トシキくんへの恋心を自覚し始めたのは12月、恋心が急速に大きくなったのは1月。大きくなってからトオルくんに会うのは今回が初めてだ。

トオルくんに会えば、トオルくんの顔を見れば、トオルくんと話をすれば、また気持ちが揺らぐかもしれない。薄れていたトオルくんへの気持ちが戻るかもしれない。天秤がまた傾くかもしれない。
会うことで、しっかりと想いを確かめたい。

3連休が終わった後、どんな結論を抱いているかはわからない。正直どちらにでも傾き得ると思う。
だからこそしっかりと見極めなければならない。

これはきっと、俺の人生の中で最大の分岐点だ。