こちらは、運玉森の中腹域

ひっそりと湧き出ているカー(井泉)です。

 

西原町のHPによると、その昔、

古波津爾也(こはつにや)という男が、

こちらの井泉を自分の烏帽子(えぼし)で覆い、

農耕に用いたことにちなんで、

村人が「エボシガワ」

称するようになったそうです。

 

『琉球国由来記』では、我謝にある聖地として「エボシガワノ嶽」(神名:君ガ御水主ガ御水ノ御イベ)と記されていて、王府時代には最高祭司である聞得大君らによって、毎年23月に祭祀が行われる程の場所だったそうです。

 

ということは、

斎場御嶽レベルの祭事場だった

ということでしょうね。すごいです!

 

というのも、こちらの井泉にも、

羽衣伝説が残っているからだそうです。

 

こちらの場合の伝承によると、

先ほどの古波津氏天女との間に、

一男一女をもうけたそうです。

しかしある日、羽衣を発見した天女は、

その二人の子供を抱え、

ともに天に舞って行ったそうです。

 

例えば、

宜野湾市大山の森川公園などの伝説では、

子ども達はおいてけぼりで、

天へ召される話がほとんどですが、

ともに昇天するあたり、こちらの天女には

何となく強い母性を感じます。

 

そのため、それ以来

こちらの井泉御獄として厚く祀り

信仰の対象にされてきたそうです。

 

今となっては、ゆったりと時間が流れる

農村風景が残っていますが、

嫋やかなエネルギーが漂っていることは確かです。

 

おそらく、天女の名残なのでしょう。

人や動物、植物などと言った、

あらゆるものツュクイムジュクイ(育てる)する

ための「懐の深さ」を感じる場所です。

 

とても居心地のいいところですね。