著者はガルシア・マルケス、南米文学の古典である。

一度フランス語で読みかけてすぐに挫折した。話がまったく分からん。

 

ところが、日本では最近、マルケスブームである、新聞の書評で何度も見ているうちに読みたくなってきた。

もちろん今回は日本語で。

 

そして、ハマった。

 

年を取ると、「知らない世界」というものが無くなってくる。

どれもこれも似たり寄ったり、若いころに同じような経験をしているものだが、

この『百年の孤独』は、私の全く知らない世界が描かれる。

私と違う時間、私と違う空間、私と違う世界観、私と違う人間関係。

とても新鮮である。

知らない世界をこうやって突如知ることは、生きているうえでの「楽しみ」である。

わくわくして、遠い国に思いを馳せて心は自由に飛んでいく。

 

まだ60ページしか読んでいないんだけどね、世界から隔離された小さな村にやってくるジプシーたち。彼らがもたらすものは「磁石」だったり「錬金術」だったり「航海術」だったり「空飛ぶ絨毯」だったり。

「不眠症」という流行病もやってくる。全く眠れなくなって記憶がなくなっていく。

私たちの無意識に潜む「神話」の世界である。

奇妙なようで懐かしい。

 

字も小さいし500ページもあるし、なかなか簡単には読めないけれど、昔文学少女だった方たちにはぜひぜひ手に取ってもらいたい本である。