強打はコースを読めば取れる、

年を取って足が遅くなっても、ポジション取りでおぎなえる。

深く打っていれば、相手の攻撃は封じられる。

そして、回転系のボールもきっとそのうち取れるようになる(スピンは前に入って、スライスは後ろに下がって、準備は早くゆっくりとラケットを振れば)。

 

1年前は、きっと私の頭の中は筋肉だったに違いない、今はテニス脳を育てている。

 

ビリー・ジーン・キング自伝から、とても共感するくだりを紹介する。

 

「シングルスの選手は、たった一人でコートに立つ。必要なものをすべて動員して自分を駆り立てなければゴールにたどり着けない--エネルギー、自己認識、決意、野心。あらゆる要素を読み取る感受性は必要だが、不安や蓄積する疲労を無視し、リスクを計算し、そのうえでときに一か八かの賭けに出るためには、ある種の頑固さもなくてはならない。プレッシャー下でもナノ秒の速さで決断しなくてはならない。(…)

(…)もっとも大切なことは、もう一歩も進めない、あと一分だって続けられないとあきらめかけたとき、自分の体に、魂に、まだ余力があることに気づくということだ。ギアを切り替えて--ギアの数は無限だ--難局を乗り切るパワーを発揮する。そんなところに手が届くとは思っていなかったところに到達して、そこから新たな未来が開ける」(461ページ)

 

「ビジネスに携わる女はスポーツを知っておくべきだ。(…)行くべき道を見きわめられるし、見逃してはならない重要なサインや微妙な兆候にいち早く気づける。スポーツは、自己主張のしかたや、競争の激しい環境でも長続きする人間関係の築き方を教えてくれる。挫折や葛藤を乗り越え、重圧に耐え、チームメートとともに、あるいは自分の力だけで、成功を手に入れるためにはどうすればいいかを学べる。どれもビジネスで不可欠なスキルだ」(466ページ)