昨日は、横のコートでトップジュニア選手が練習していて、
しかもギャラリーには元私のコーチたちもいて、
私は緊張して仕方なかった。
自分が惨めに思えてくる。下手くそだから。

プレーを止めてネットに近づいて、自分の弱気をコーチに打ち明けた。
「そんなに上手くないんじゃい?
それに、タケさんはこれまでずっと、ぼくの生徒と打ち合ったりその子の試合を見にきたり、もう慣れたでしょ?いまさら緊張する必要も無いでしょう」

緊張が溶けて、自分にかけていた魔法も解けて、それからはのびのびとテニスができた。
若い子はとても強く見える、その分自分はとても下手に思える。たとえそれが事実であったとしても、卑屈になったりあきらめたりする必要はない。
こんな時、今のコーチは私に前を向く力をくれる。
私にとって現コーチが最強コーチである一つの理由はまさにこれである。

ところで、昨日録画で見た「奇跡のレッスン」のサーシャは、私にとっては少し違和感がある。
(私のタイプがラテン男であり、サーシャは好きな顔ではないからなのか?)
やたらと女子高校生にハグしたり、
最後の別れの場面で「ぼくを泣かせるなんてなんて悪い子たちなんだ」と言ったり、
生徒のメンタルをサポートをすることと、感情的に密着することとは別である。
コーチに崇拝感情を持つと、選手は弱くなると私は思う。

ハビエルが言うように、主役は自分なのである。
自分が自分のテニスを選ぶ。自分のするべきことをする。自分がコーチにサポートを求める。