カウンセリングセッションで最も多いご相談は、対人関係の悩みです。
 
一所懸命、伝えようと頑張ったのに、「何言いたいかわからない」…と、言われて傷ついたというご相談が多いです。

 

原因は様々で、

 

・誤解された

・言いたいことが伝わらなかった

・相手が怒ってしまった

 

などなど、まとめるならコミュニケーションの課題と言うことができるでしょうか。

 

…ということは、コミュニケーションがスムースに行けば、かなりストレスが軽減されそうです。

 

さて、「伝えたいことを伝えるになるためには、何から取り組んでいけば良いでしょうか。

 

そんな願いを持つ方にピッタリの書籍が発売されました。

 

 

深谷百合子さん「賢い人のとにかく伝わる説明100式」です。

 

 

 

百合子さんはもともと、メーカーで技術者として勤務されていました。理系出身ではないため、専門用語を理解するのにとても苦労されたとのこと。

 

現場へ足を運ぶ行動力、工夫して伝える力が評判を呼び、現在は「難しい」を「易しい」に変える伝え方ナビゲーターとして活躍されています。

 

私自身、英文科卒で開発系メーカーに勤め、専門用語が必要な英語の商談に苦労した一人。境遇からまず共感してしまいます。

 

さて、この本は、全部で9章から成ります。

 

一見、ビジネス書に見えがちな本ですが、スピリチュアルな側面からも本の内容を取り入れることができます。

 

この本は、すべてを理解して実践しなくても大丈夫。

ほんの2~3項目取り入れてみるだけでも、変化を実感できると思います。

 

章ごとに私なりのコメントを入れてみますので、本と合わせて参考にしてみてください。

 

 

1 勘違い・行き違いがなくなる説明

 

相手の知りたいことをまず把握してから説明するようにする(P24)

 

相手をしっかり観察して相手の話を聴きましょう。
それから自分の伝えたいことを伝えます。

 

こうすると、相手が興味を持って聞いてくれるので、伝える時間もうんと省エネできちゃいます。

 

2 いろんな相手に合わせた伝え方

 

相手の使う言葉と同じ言葉を使って説明すると、相手が受け取りやすくなります。(P80)

 

職業も、地方によって呼び名が変わります。

 

九州の南端では、神様ごとをする人のことを「観音さん」と呼び、四国では「龍神さん」と呼びます。

 

私の職業って、地域によっては観音さん、龍神さんと言う方が伝わるんですね。

 

3 わかりやすい説明の組み立て方

 

話のボリュームを先に伝えると、相手は話を受け止める準備ができる。(P94)

 

私はYouTubeを色々観るのですが、

 

・この動画を見るとこういうことが学べます

・ラジオ感覚で流し聞きしてくださいね

・最後に特典があります

 

など最初に言う人は「いい人ね」と勝手に思います。(笑)

 

聴き手のことを思いやってくれると、好感を持ちますよね。

 

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4 面白いほど提案が通る説明

 

小さなYESを積み重ねて大きなYESを引き出す(P134)

 

これは、相手をよく観察していると、簡単にできます。

 

書籍の中では客先への提案を例に書かれていますが、主婦でも実践できますよ。

 

たとえばご主人の好物を食卓に並べ、上機嫌になったところで何かリクエストをするって実践している方も多いのでは。

 

5 心理学で説明がもっとうまくいく

 

「人や感情に関心が向くパターン」と

「成果や物に関心が向くパターン」(P156)

 

これを知っていたら、誰かの話を聴くとき、とてもスムースになります。

 

「楽しそうと思うと取り組める人」と、

「成果や学びが得られると思うと取り組める人」がいます。

 

書籍の中では「人間重視型」と「物質・タスク重視型」として書かれています。

 

ここが分かったら、コミュニケーションのすれ違いが劇的に減りますね。

 

6 資料を使って説明する

 

基本の5W1Hで内容を整理する(P160)

 

「何を言っているかわからない」と言われがちな方に共通して見られるのが、主語がないパターンです。

 

「誰が?」「いつ?」「どこで?」と私に何度も質問させる生徒さんは、「尋問台を用意させないで」と私から注意されています。(笑)

テレパシーでなく、まず言葉で伝えましょう。

 

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7 プレゼンで説明する

 

「うまくやろう」ではなく

「この人に届けよう」という気持ちで挑む(P200)

 

本の中には、プレゼンで緊張したか楽しめたか、違いを考察したら矢印の違いだったとあります。

 

これは一対一のコミュニケーションも同じで、上手く伝えなくちゃよりも、相手に伝えたいの気持ちを大切にすると、エネルギーが相手のハートへ届いていくのだと思います。

 

8 メール・チャットで説明する

 

「報告・連絡・相談」には絵文字を使わない(P210)

 

状況や事実を伝えるときや、相談をするときには5W1Hをベースに伝えるから、感情を絵文字で表現する必要がないということなのです。

 

実は、私は生徒さんからの相談などに絵文字があるとき、減らすようアドバイスすることがあります。

 

ビジネスライクで冷たく感じるかもしれませんが、絵文字に頼ると文章をサボりますよね。

絵文字に頼らないで伝える力を磨くには、まず事実を伝えることに尽くしてみると良いのでは。

 

9 オンライン時代の説明技術

 

背景から余計な情報を排除する(P224)

 

この章は、オンラインで相手に何かを伝えるとき、少し気をつけるとグッとよくなるTIPが満載です。

オンラインが増えている昨今、実践されると好感度アップ間違いなしです。

 

以上、私のコメントつきで章をご紹介しました。


おそらく、百合子さんは説明上手を目指したのではなく、目の前の問題解決に尽くしていたら、伝わる伝え方の本質を体得していかれたのでは。

ビジネススキルから、心理コミュニケーション術まで幅広く網羅された一冊です。


 

最後に、私のお勧め使用法をそっとお伝えしましょう。

 

リビングルームで、家族の目に着くところに置いてみてください。さりげなくね。

 

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ご主人が何となく手に取ってみれば、職場で役立つかもしれません。

 

お嬢さんが読んだら、お友達との関係改善に役立つかもしれません。

 

コミュニケーションは共通の言葉を増やしていく作業です。

あなたが読んで実践するだけでなく、ぜひ身近な人と、伝え上手(&聞き上手)になって、みんなでハッピーになりましょう。

 

 
以前、奈良で百合子さんとご一緒したときのショット。
またお会いできる日を楽しみにしています。